ノスタルジックアパート – WOMCADOLE

ただいま、の声に返事はない
靴の減った玄関
部屋の明かりが消えたままなのは
誰のせい

君は行ってしまったどこか遠くまで

おかえり、僕は君の帰りを
待つ犬みたい
君の嫌いなタバコはベランダの隅で

会いたいのに、会えないのは、変わらないから?
それでも、君を待つよ、

数センチの距離が遠く感じるのは
君と生きてきた思い出のせいかな
髪の毛の匂いがわかる近さまで
肩を抱き寄せていたい
君の帰りを待つよ

戻りたいのに、戻れないのは、変われないから?
それでも、僕は待つよ、

数センチの距離は広がるばかりで
見えない期待に嘘をついた
お揃いのビーズの合鍵残して
君は出て行った

数センチの距離がこんな辛いなんて
君の匂いが残った部屋の
ベランダから覗いた外はオレンジで
涙が一つ溢れた

一つの枕を取り合った日々も
軋むベッドの上、鳴らした愛すらも
線香花火の後の静けさと
違う穴が空いてしまった
返事のないただいま
君の帰りを待つよ