VALSHE

アルビレオ – VALSHE

夢に見たものは 水底の摩天楼
息ができないと あの子も溺れてゆく
押し寄せる水は 独善に染まったバイナリ

畏敬の念さえ 上部だけをなぞった
命麗しき ニヒリストの天上
花を咲かせよう 路地裏で開くラフレシア

静かに眠っていたいのにアラームは鳴り響く
体の打つノイズもイヤホンから聞こえてる

千の花火よ 花火よ夜を照らせ
瞬き瞬く 一度きりの巡り合い
重なり重なる ひとつになれ
触れた肌が 痛くなるくらい

首から下はもう 安らぎを求めてた
首から上だけ 矜恃をまだ求めた
右も左も そう分かり合えはしない吹き溜まり

重力に引かれて どこまでも落ちてゆく
成すべきことなど 多分何もできない
願わくば誰かと そんな日々に意味を感じさせて

生き残ったものだけ明日があるというなら
許して 大義なき寂しさからの逃避行

三千世界の 世界の果ての星で
もがいてもがいた 傷だらけの体で
重なり重なる ひとつになる
どちらが消えても 気づかないほど

ああ 蜜に蝕まれ
泣いたままで溶けてしまえれば
どれほど楽だろうか

静かに眠ってたのにアラームは鳴り響く
目を開けばまだ自分でいられた
今何もかもを諦めはしない

千の花火よ 花火よ夜を照らせ
瞬き瞬く 一度きりの巡り合い
寄り添い寄り添う 二つ星
美しい輪郭は交わらず
その気高さを一人見上げた

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