夢に見たものは 水底の摩天楼
息ができないと あの子も溺れてゆく
押し寄せる水は 独善に染まったバイナリ
畏敬の念さえ 上部だけをなぞった
命麗しき ニヒリストの天上
花を咲かせよう 路地裏で開くラフレシア
静かに眠っていたいのにアラームは鳴り響く
体の打つノイズもイヤホンから聞こえてる
千の花火よ 花火よ夜を照らせ
瞬き瞬く 一度きりの巡り合い
重なり重なる ひとつになれ
触れた肌が 痛くなるくらい
首から下はもう 安らぎを求めてた
首から上だけ 矜恃をまだ求めた
右も左も そう分かり合えはしない吹き溜まり
重力に引かれて どこまでも落ちてゆく
成すべきことなど 多分何もできない
願わくば誰かと そんな日々に意味を感じさせて
生き残ったものだけ明日があるというなら
許して 大義なき寂しさからの逃避行
三千世界の 世界の果ての星で
もがいてもがいた 傷だらけの体で
重なり重なる ひとつになる
どちらが消えても 気づかないほど
ああ 蜜に蝕まれ
泣いたままで溶けてしまえれば
どれほど楽だろうか
静かに眠ってたのにアラームは鳴り響く
目を開けばまだ自分でいられた
今何もかもを諦めはしない
千の花火よ 花火よ夜を照らせ
瞬き瞬く 一度きりの巡り合い
寄り添い寄り添う 二つ星
美しい輪郭は交わらず
その気高さを一人見上げた
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