夕暮れ 携帯電話(ケータイ)に喋る 声の交差 せつなく必死で 本当に欲しい言葉 捜す群れのようで 人を縫い 路地を抜け 右に折れ また左へ迷い込み辿り着く先に 何かを求めた 緩やかな風になる 早めの春が散らばる目映さに俯いて 落とした涙に気付く 「忘れられてゆくことは 怖くない」と呟く白い肩 痛みの果実
片方ずつ分けた イヤフォンで離れて聴く新譜(きょく)の気の早い季節を 君は「嘘っぽい」と苦笑った 「まだ来てない夏に とり残される」 空の近くの 元ベンチで僕だけが知る 君を見つけた 話すことなど なかった君が心に落ちる 碧く深く “時が癒してゆく”… 誰もが口にして悲しいよ残酷な強さで 人は寂しくても生きれる 立ち昇る陽炎 僕を揺らして 恋や愛とは 違うものに惹かれる意味も 解からずにいて すれ違う度、だけど感じた ―僕ラハ・同ジ・水
季節は僕らを近づけて 光に時が止まる今は見えない 眩しすぎて いつかの陽炎 失くすのは 小さなものだって嫌で匂いのない花を 部屋に置いてる 胸に落ちた言葉 とても綺麗で羽根をたたみ眠る 守り続けて 諦めてくものは 差しのべた手の 行方じゃなく目を射るきらめきに死にそうに痛く 瞬きする想い 強く鮮やかに 奪われて 立ちすくむ瞬間の気づかない永遠のような 真夏の金色 閉じた瞳に
薄色に滲む夜は終わる季節の悲鳴にも似て 燃え際に永く尾を引く溶けぬ気持ちが結晶になる 急ぐ街の声を 背に歩き出すのは確かな孤独の響きを 求めてるから 降りそそぐ想いは 雪か それとも消えていかないで 君の熱を残したままで 真実に寂しいなら落ちた花でも拾い集めて 真実に望む空なら夜明けに迷う光になって 遥か真夏を視る瞳が 追いかけたのは僕らが抱く透明な 痛みの在処 閉ざされた 扉の奥の靴音夢に華やかな 面影だけ捜し続けた たどる指 躯
振り向いて消える笑顔が 戸惑う程 儚く夜に零れる 街を見降ろす 丘まで二人歩いて傾く月の灯でそっと 身を暖めた 薄い翼で 星屑にまで近附けるボクらの爪先を 地上に戻して 吹き抜ける疾風の冷たさは 熱も日々も奪い去ってくの?水のないプールに立ってる 注がれる季節を待ってる 胸の階段 ずっと軋んでいるから壊さぬ様に 気づかれぬ様に 昇り続けよう 心以外何も持たずに 出逢ったから すれ違ったから夢を見てたよ 砂の舟で 君と行き着く遠い場所