ちょうど一年前に この道を通った夜
昨日の事のように 今はっきりと想い出す
大雪が降ったせいで 車は長い列さ
どこまでも続く赤いテールランプが綺麗で
サイドシートの君は まるで子供のように
微笑を浮かべたまま 眠れる森の少女
ゆすって起こした俺を 恨めしそうににらんで
俺の手を握り返し「愛が欲しい…」と言った
何でもないような事が 幸せだったと思う
なんでもない夜の事 二度とは戻れない夜
子供が出来たと君は 戸惑いながら話し
うつむき口を閉じて 深いため息を吐く
春が来るのを待って 二人で暮らそうかと
微笑む俺に泣きつき いつまでも抱き合ってた
何でもないような事が 幸せだったと思う
なんでもない夜の事 二度とは戻れない夜
冬も終わりに近づき 借りたての部屋の中
突然闇に落とした 悪夢のような電話
病室のベッドの上 まるで子供のように
微笑みを浮かべたまま 眠れる森の少女
ちょうど一年前に この道を通った夜
あの時と同じように 雪がちらついている
何でもないような事が 幸せだったと思う
なんでもない夜の事 二度とは戻れない夜
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