Sou

僕は水になりたかった – Sou

虹色の雨に攫われた
もちろん、それは夢だった

僕は水に成れなかった
もちろん、それは夢だった

「いっその事全部流して、
くれたら善かったのにな。」

傷だらけの体を
隠してしまえるのなら

生きたいと思う事
息さえも止める事

色彩の応答
そのどれもが僕の輪郭だ?

僕は水になりたかった?
カナシミの輪郭、囚われない様

僕は“見ず”で在りたかった
理不尽だらけの汚い世界を??

ヒトはちいさな水をこぼす
ひび割れた心こぼさぬ様

君はちいさな命をこぼす
僕は見ていた、すくう事すら出来ずに

ものごとのカタチにとらわれて
こわれる、泡のようだった

僕は水に慣れなかった
溺れる、淡い夢だった

ざらついた言葉と
楯突いたその刃と

身勝手な心臓(ハート)
そのどれもが消したい輪郭だ

僕は水になりたかった
ただ妬ける胸をしずめたい衝動

僕は傷でしかなかった
こぼれ落ちてゆく水空(みずから)の愛を

荒れた世界 満たす水は要らない
『ただあなたが、こぼした想いを

覆い隠してしまえるような
つかの間の雨になれたのならば―』

何故ヒトはみなそれを望む?
何故ヒトはみなそれをこぼす?

虹色の雨に攫われたままの
僕は“ミズ”で在れたらよかったのに

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