西陽ざわめくプラットホーム
仲間とはしゃぐあなたの影が爪先に触れ
もう会えないとわかってるのに
私はずっと息をひそめてうつむいていた
どうかこっちを見ないで 最後も
笑顔じゃなくて見慣れた背中がいい
サヨナラと桜が泣いてる
潔く散りゆくのがもし綺麗だとしても
人の笑い声歓声にまぎれて
少しだけ不幸せになればいいのにと願う
私の春がはじまる
いつか気づいてくれると願い
気づかれるほど私の嘘が下手じゃなかった
次の列車がもうすぐ着くこと
どうしてそんな嬉しそうに告げるの?
サヨナラと桜が無邪気に
重そうな鞄を手に乗り込むあなたに舞う
ベルが鳴り響きドアが閉じた後
いつだって好きだったとため息がこぼれたこと
あなたは決して知らない
サヨナラと桜が泣いてる
潔く散りゆくのがもし綺麗だとしても
いつか笑い声 歓声も途絶えて
ぼんやりとおぼろ月が輪郭もなく輝く
あなたの春がはじまる
私の春がはじまる
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