Sano ibuki

決戦前夜 – Sano ibuki

始まりの合図が聞こえた 瞼の向こう側で
おはよう 目を開けてほら
世界が回り出す 決戦の地へと 行こう

なんにもない景色で何かを探し始めた
答えも知らないまま
下手な歩幅で進めている

みんな ひとりぼっちで
透明な道で迷っている
飛べない僕は途方に暮れて
それでも 夜は明けるんだ

晴れた空の青さすらもう
雲に隠れた雨の行方も
誰も知らないままに消えていく
あの光を追いかけていた あぁ
どんなに寂しくても泣かないように
心が騒いでも笑えるように
呼吸のように過ぎ去った日々すら
抱きしめて ほら
この世界に僕はいる

何者でもないからさ
何者にでもなれるんだと
教えてもらった 言葉が
夕焼けと共に 蘇った

ポケットに忍び込ませた
伝えられない想いの
ひとつを守るためなら
幾つでも僕は 失えるんだ

空に瞬く流れ星も
真っ暗な闇すら心地よくて
誰も知らないままに駆けていく
あの光のようだった あぁ
1人じゃないとか思えた夜も
それでも訪れた 別れの朝も
悲鳴のように残り続けた痛みは
覚えているから
ここに僕はいる

あぁ ずっと 終わりの続きで
まだ見ぬ 居場所探している
それでも生まれた この目で
見つけた全ての夜は明けるんだ

晴れた空の青さすらもう
雨に呼ばれた虹の行方も
見えたはずの光を見落とし
その目で今を追いかけていた あぁ
こんなに寂しいから笑えるように
全てを捨てたから進めるように
呼吸のように過ぎ去る日々だから
抱きしめて 今
この決戦の地に僕は立っている
生きている

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