ふたつの手のひらが重なる時にだけ生まれる温もりを、
あなたに差し出せたら。
ひとすじでもいい、光は灯るのかな。
極夜の空、雲間にぼやけた星空。
答えが見つからない闇の中で、
もがくように瞬いていた。
あなたの痛みを知りたいと願った。
風が頬を刺すような、冷たい夜の中でも。
瞳の天球に散らばった光と、重なる手のひら。
静かに燃えている。
ひとつの悲しみが人知れず凍えて白に染まる夜に、
あの雲が晴れたなら。
一張のカーテン、空に引いて眠ろう。
翡翠の色、闇夜に溶け出すオーロラ。
音のない静止した時間の中で、
心臓の音だけ聞こえた。
今まで落とした涙滴の数だけ、
遥か彼方でまた、星が生まれているんだろう。
小さく見えた光が近づいている。
重なる手のひら。
あなたの痛みを知りたいと願った。
風が頬を刺すような、冷たい夜の中でも。
瞳の天球に散らばった光と、重なる手のひら。
静かに燃えている。
差し出された手を握って。
生まれた温もりを抱いて生きて。
見て、夜が明けるよ。
ほら、朝ぼらけの空、静かに燃えていく。
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