REALSTYLA

危機 KICK IT – REALSTYLA

目の前に居たのは蒼い顔
しかも表情の全くない野郎
ハロー!こいつが生みの親だ どうやら
でもなんかこのツラ相当ヤだ
窓にゃ暗色カーテン
これじゃ晴れでも雨でも分かりません
パソコン画面の光以外は
ほとんど明かりない、暗く狭い密室
めいてる一室 まがまがしい空気満ちる

無機質な工具やたら多く、
ハンダの溶ける匂い漂う
そのアチー焼きごてみたいな棒の先、
俺の身体に何度も何度も押し当てるのは
やめてくんねーかな? とりあえず
それにしてもなんだ? この身体に絡まった赤や青、
コードの束は見るからに
不審な部品が全身についているが、
いじんない方がどうもよさそう 怪しすぎ、
この左についた時計とかも
赤い数字がデジタル表示だんだん減ってく 刻むように

オーイ!どこに連れてく気だ?
こんな隙間ない箱にって無理だ
空気が吸えねぇじゃねぇか
あれ? 変だ 息をしなくても全然やってけんな
ようやく事態理解
俺は生き物とは違い、機械みたい
心音の代わりにピッピッ、あの時計のある位置あたりに
地味にかすかに鳴る音色
数字が近づく、 ゼロへと
止めようねえぞ この線切るしかねぇぞ
もう元へ戻れん

俺が今いるこの公園
正面、 遠目に遊ぶ少年
避難しないと危険 大いに
火を吹く寸前、 時限装置
俺の生まれは兵器工場
課せられたのは スゲー辛ぇー むげぇー仕事
現在 俺は土に埋まってる
人間が俺の上通過するのをジッと待ってる

生後間もなくここへ連れてこられた
いきなりかよ、おい! ちょっと待てや
あぁもすぅもねぇ 周りは真っ暗 どのくらい経つか
風で見えるようになった 周りの風景
何か俺と同じような顔の奴がいるぜ しかもかなりの数
広がる青空 遠くで聞こえる激しい音が
あの日の事は絶対忘れない

軍服着た男達 体格デカイ
パラシュートで急におりてきた9人
たぶん思うにあのヒゲヅラが中心
奴を先頭にゆっくりと前方に歩き出した
と同時に 吹き飛んだ全員のひざ下
悲鳴もでねぇ程ひでぇ
あたり一面 血で覆われ 息も出来ねぇ
ここは山岳地帯 砂漠も近い
夜なんざ まさに闇 人っ子一人いない
置き去りの9人の死体 しだいに砂に埋もれてく
もう一言も返事はしない

涙しながら国境向かう難民が
50cm横通った時は 本気で危機 感じた
同じ場所に俺は埋まってる
来ないでくれと思いながら 助け待ってる
左の左あたりに居た
同じような顔のやつも
三日前、 夜中のうちに もうヤだ more
最近なんか飛んでる よく見たらミサイル
寒気と共に事の重大さ理解する
こっちに向かって来てる奴がいる
燃料や物資武器運ぶ軍用ジープ
来るな、来るな、俺を踏むな
車 2台ぐらいすぐだ
危うくズレた ホッとしたよ
頼むから 俺の事はほっときなよ

さっきから向こうから
大きい荷物持った酷く痩せた人達
何も知らずに歩いて来てる
ヤベーな あと5歩、4歩
今回はホントにダメか
出るアブラ汗 もう遅いな
なるようになるだけ 祈る事しか出来ない
ウワァー いよいよだ 謝っておきたい
一秒後、奪ってしまうかもしれない 君の未来
触れりゃ爆発 俺の名は地雷

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