暗室の中でしか写らない何か
ホログラフィック理論的 恋愛幻想
過ぎ去った瞬間 また耳を横切れば
残酷な楽園で途方に暮れる
黒目の裏に或るレンズ 捉えたイミテーション 煌めく
ねぇ 透けてくのは何故?
硝子みたいに色を失って 君が視えない
止まってるだけの世界でどうか
目に映ったまま ずっと
消えないで 消えないで 消えないで
暗薬を潜ったら現れる残像
興ざめな口笛は 饒舌に寡黙
指で作る画角 ピント合わずにメランコリー 滲んで
ねぇ 透けてくのが嫌で
こんな熱病に 瞼の赤闇 君が揺らぐの
離れてく程に側にいるとか
無いものねだりで こゝろ麻痺してらぁ
なんであんなブレてる? どうしてそんなボヤける?
じゃあさ ぜんぶ燃やそっか だってどうせ戻らない
き れ ぎ れ 赤い糸 さ め ざ め 青い糸
ほら いま 掌が君だらけ
(ただいま おかえり おはよう おやすみ
ことばとことがら うすれてく)
ねぇ 透けてくのは何故?
硝子みたいに色を失って 君が視えない
探した両手が触れたら 割れた
掻き集めるけど 元に戻らず
壊れた刹那で永遠を知るのに
夢が醒めるたび 花は散ってて
記憶じゃ脆くて 頼りないってさ
目に浮かんだまま ずっと
消えないで 消えないで 消えないで 消えないで
消さないで
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