LACCO TOWER

  • 苺 – LACCO TOWER

    あばらの奥 心臓が瞬いてる決して届かない 恋のせい 君のせいで 小説家でも詩人でもない 伝える術を持たないからと彼女が髪を分ける仕草を ただ隣で見ています 見つめられた一秒で 苺のように赤く変わった頬ばれぬように 首を下に折り曲げる ゆらり ゆらり 赤い苺は 口をつむったまま アルミのハンガー 口に入れているような顔を引き連れて その肩の横 あと数センチ 可能性なら0ではないと 心のどっかで 思っ…

  • 未来 – LACCO TOWER

    曇天は頭の上 雨粒を準備してる繋ぐ先ない手はポケットの中 ぐしゃぐしゃの未来握る 神様がもし居なければ 儚い夢願うことなくどんより歪む空の下 うつむき歩いているだろう しんしんと 夢は降る 永遠に曇り空 その中に描く未来 叶わないと怯えながら 届かないと怯えながら歯痒そうにこの手はポケットの中 ぐしゃぐしゃの未来握る 「君のいる未来はこうなるよ」と誰一人 教えてはくれないが曇り空 その中に描く未来…

  • 懐炉 – LACCO TOWER

    健気に落ちる粒 見上げれば 深い黒に澄んだ空の奥に 白い水玉模様が浮かぶ懐炉持った両手は外気に触れ 貼りついたように離れない 風を切るような風 吐息は形を作る ねぇ、欲しかったものは 手に入るかな 直向きさは報われるのかな永久には残らない この結晶と 自分を重ねてしまうよ 憧れには遠い 届くかも分からないゆっくり切なさが 僕らの傍に降る 瞳に溜まる雨 白く固まる前にかじかむこの手の中で 弱く握った…

  • 鼓動 – LACCO TOWER

    背中で両手が交わって 胸と胸が重なり流れてくる その心音「ちょっとまって」の台詞が 出そうな口を縫ったから気の利いた事も 言えないんだ 重なった鎖骨に 発射のベルが響く からまった心を ほどかなきゃ 両目から溢れそうな 真昼の通り雨は別れのときを曇らせる 何重にも 何重にも知らぬ間に散った花は 紙吹雪のように君の行く道 降り注ぐ 何枚も 何枚も 響く旋律は さようならの合図伝わる鼓動と 奏でてる演…

  • 非公認 – LACCO TOWER

    かりそめ 間に合わせた 夢の続き仮止め 力なく ほつれ始める 誰彼 構わなく欲する承認バレバレ 薄氷の紛いもん 思い出して その声は認められ 出すものじゃない 震える命(タマ)を蹴り上げた生まれたばっかの熱情で雑把なままで 突っ切って心臓の網を揺らす 紺の夜中 月の真下希望は姿くらまして孤独の雨に打たれたら孤高の君が笑える日まで 「失望」「張り合い抜け」「滅入る気持ち」過剰な期待を煽る正義 思い出…

  • 藍染 – LACCO TOWER

    夕暮れに焦げ臭い レンガ通りの向こうで 立つあなた見てるかなかなと鳴く日暮が妙に景色を 際立たせる 髪をまとめて上げた細い首筋の先 空が映る好きだとも言えず 友達のフリを続ける 僕はゆっくり偶然を装い 傍によった 藍染をした浴衣がとても きれいだと 嘘をついたあなたを綺麗と言えるはずもなく おどけて おかしい 言葉並べた 170を軽く超えた大きな彼が 近づいてくる白樺のように細いその両腕引き寄せ …

  • 錻 – LACCO TOWER

    剥がれたメッキから 覗いた胸は 油が漏れたように泣いた霞んだ眼球で 見据えた未来(さき)は こんなにも曇ってたっけか 夢は蕾のように いつしか咲き誇ると鏡に映った 顔へ 諭すよ 僕ら彩った夢の中 背中に生えたネジを回すほらキリキリと 音を奏でてゆっくり ゆっくり 僕らを動かした 黒ずむ心臓が 胸を行き交う 無限の回廊は続く「間違いじゃないさ」と「それでいいさ」と 誰かに言ってほしいんだ 心は未完成…

  • 後夜 – LACCO TOWER

    流星の後夜 星は流れ去り 白々と空は 明け行く 孤独と指を絡めては 背骨を折り曲げ うつむいたあの日細い両手は空気を握る かみ合わぬ歯を鳴らして 黒とも青とも呼べない 紺碧の屋根が もうそこに来てるかすかに響く未来の音に か細い腕を伸ばした 流星の後夜 星は流れ去り 白々と空は ほら明け行く冷たい頬に 落ちた青い雨 昇る太陽が焦がすさ 暗雲の中 覆い被さる靄を少し尖った口で吹き飛ばせ 不安の火種を…

  • 林檎 – LACCO TOWER

    嘘を放てば罪なのか 誠を貫くが正論かしゃぶり齧った林檎には 薄く血が滲む 先の曇る空に 願をかけながら 強がって強がって 嘘を身にまとう鋼のような目は 人知れず何度も 涙して涙して 膨らんでいく そうさ心通わせて 唇を吊り上げる操り糸の手 震わせたままで 照らし出された月の裏 本当の僕はそちら側だ覗かないでとうつむいて 顔を隠してる 周りと合うコードをかき鳴らしながら 狂騒の毎日に身を委ねてる そ…

  • 魔法 – LACCO TOWER

    解けていった魔法なら 山ほどあるわ さようなら 熱を食うだけの電池 そんな風な 二人だわ隣同士並んでも 反対側を見てる シーツの間で 6歩先のドア 眺めてた もしかしてノブが回って 新しいあなたが笑ってちちんぷいなんて指をまわし 嘘も倦怠も弾けて それで午前4時の空の 鈍色のオレンジみたいに何かが始まる あの頃へ戻してしまう 魔法をかけるなんてね 春と夏の逃避行 秋と真冬の情事純白の期待値は どこ…

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