KANAN

  • Birthday – KANAN

    走り出す夕立 跳ねる水溜り避け手を引いた君から 優しい眼差しを受けた。日々に溶けるこの瞬間(とき)すら続く日常だと思っていた。 あの日から動けないのです。君のくれた記憶(もの)が絡まってか細い明りを頼りにしてもあの時と同じようには、もうなれないとわかっていた。 歩き出す夕闇 肌を撫でる風から隣に居る君が 守るように肩を寄せる。過去が見せたこの瞬間すら届く日常だと信じていた。 あの日から動けないので…

  • BRAVING! – KANAN

    近づいて手を伸ばした 明日へと続く光足元に広がる この世界の夢を見た 夢と希望は何処にあるなんて知らないよ走り回って探しても見つからない真実と嘘の狭間に落ちているのかな僕らの物語なら始まってもいない 明日へ続く崩れ落ちそうな道も弱気なる前に飛び出していこう 近づいて遠のいていく 真実を掴む為に見えない未来から希望を探し出す誰よりも固い心 身に着けて駆け上がるよ弱さと戦って勝ちあがる強さを見つける為…

  • うたとお別れを – KANAN

    愛が欲しいと叫んだ声なら今もどこかでただただ響くよ歌になれない詞が嘆く揺らぎなく流れていたあの頃を愛おしむように消えていく。 手も繋げない闇の中で寄り添いながら歌うこの灰色に煙る小さな世界の端っこで私たちはすべてが終わるのを待つの。 愛が欲しいと叫んだ声から掠れた音がただただ響くの歌になれない詞が憂う揺らぎなく流れていたあの頃を懐かしむように消えていく。 手も届かない街の中で見失いそうになってこの…

  • コスモスフライト – KANAN

    小さな約束交わした手紙が今でもこの手に残る捨てることなんて出来ないままで心の箱に仕舞い込む 今よりもずっと幼くて今より夢に溢れていた宇宙の果て見つけに行こうって 君が居る宇宙を見渡せば散りばめられた星に囲まれていた夢を見たあの日の私なら夢を叶えた君の隣に居る 君が旅立つ日画面越しに居た焼きつけるようにずっと遠く遠くなって見えなくなるよ君と想いを乗せた船 何度も空を仰いでみた何度も君を探していた約束…

  • 相反 – KANAN

    心には降り続ける言葉と偽りの無い想いだけいつまでも声に出せず埋もれた体を寄せる君が震えていても 雨と傷が触れる時優しい声を聴かせてそんな相反する感情ばかりが渦巻く日々を重ねて、僕に降り積もっていく涙を見せた君から目を逸らして 愛してる、使い古された言葉本当に伝えたい一言がじゃあまたね、そんな言葉に消されて今日もまた君に伝えられないよ 何も無い時間だけが流れて君との距離も遠ざかる降り続く雨にかき消さ…

  • チェリィと獣 – KANAN

    咬みつくの、心を味わうように君の好きな言葉で縛りあげて 随分と無機質で寒々しい街に金色の爪をした猫が笑ってる 私は知っているんだから隣を奪う気性、荒々しいその瞳が君を狙っている。 咬みつくの、心を味わうように君の好きな言葉で縛りあげて誰かさんはその場で爪を立てて灰の降る街へ消えればいい 随分と無機質で寒々しい路地に綺麗な爪をした猫が震えている 私は知っているんだから寄り添いたい衝動、ゆらゆらしたそ…

  • 桜の境界 – KANAN

    ひらひらと舞い落ちた、別れを知らせる花が私の心を隠している。ほろほろと零れ落ち、足元を濡らして私と貴方の間に消えない境界を。 桜の情景、柔らかな陽があの日も重なっていた。それから笑って泣いた日々まで全てを愛おしく感じて、泣いてしまいそう。 いつから交わらない道を歩いていたのだろう、わからない。いまさら後戻りも出来ない振り返る事しか出来ない。 ひらひらと舞い落ちた、別れの季節の花が私の心を掻き乱す。…

  • 沫嘘 – KANAN

    すぐ逢えるからって君の言葉は私に吐く初めての嘘ね。切れてしまいそうな小指の糸辿って君のいるその場所に、いけるなら。 人の波の中に私だけが置き去り迫りくる夕闇、独り心細くて君のくれた香りを身に着けて歩いた。そうしたら君が気づいてくれるって、そんな気がして。 すぐ逢えるからって君の言葉は私の為だけに吐く嘘ね。溶けてしまいそうな小指の糸辿って君のいるその場所に、いきたいよ。 涙のような雨、私だけに沁みて…

  • 荊姫 – KANAN

    荊棘の森、孤独に落ちた城が沈黙のまま誰の声も聞かずに湿った夢の続きを歌い続け歳月を知らぬ私を囲っている。 眠りの淵の中、囁かれた愛さえ長い子守唄のように聴こえてしまうの。貴方は誰なの? 知らないわ。 過ちへと手を伸ばして貴方は見失う。触れるべきものは他に居るはずでしょう?私を揺らしたいのなら愛を込めてキスを頂戴な口先だけにならないで。 荊棘の檻、孤独に嘆く城が歳月を知る貴方を囲っている 眠りの淵の…

  • clover – KANAN

    私の胸に撒かれていた種が何気ない仕草で疼き芽吹いていく水も、土すらも無い心の中君の言葉だけが私を育てていた。 一葉の恋、君の声に心がさざめく日もあったからすれ違うことも躊躇ってしまうの。幼い恋、私の声君に届くなんて思ってないただ過ぎていく君の笑顔に目を背け続けていた。 日向のような柔らかい温もり私の心には必要なのです。プランターのような狭い体にはいくつも根が伸びて息も出来ないよ、ねぇ。 双葉の恋、…

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