CIVILIAN

赫色 -akairo- – CIVILIAN

闇を飛んだ夜鷹が 人知れず星となり
照らされた大地で 人々は行き交う
この世界は幾多の 悲しみの上にある
絶望によって花が咲き それを綺麗と人は言う

花瓶の中の 萎れた向日葵
あなたの笑う顔も 枯れてしまうかな
気紛れに摘まれた 花弁が今
砂嵐に舞い上がる

あの日 奪われた全てを
取り戻せと 声が響く
孤独を受け入れた代償で
命の灯は 赤く燃える
それは焼け付くような赫色

幸せは仇となり 信じた奴から終わってく
この世界は彼等の 死体の上に築かれる
傷付くのは優しさの 証だと嘯いて
勲章だなんて宣う 本気で言ってんのかよそれ

陸の魚が 酸素に溺れて
鳥は水の中で 飛べずに息絶える
相応しい場所を知らないまま
僕らは皆立ち尽くす

あの日 傷付けた自分を
取り返せと 誰か叫ぶ
いつか全ての悲しみの
果てに立って 寂しく笑う
それは血の色に似た赫色

海の中で蠢いた細胞の欠片が育ち
手足が生え陸に登り猿の果てにヒトとなり
蟻を見る人の如く我等を見る神が生まれ
どうか我等を救い給え さもなくば雷を撃て
愛された人間しか 笑えないのなら
与える為にまず 奪うというなら
屍 容赦無く踏みつけてさ
さぁ無邪気に笑えや

あの日 奪われた全てを
取り戻せと 声が響く
孤独を受け入れた代償で
命の灯は 赤く燃える
それは焼け付くような赫色

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