やぶれた頁をつなぎ合わせて余白ばかりのこの胸にひとつ ふたつ あつめ空たかく錆びた記憶の先へ行ける
うしろを振り返らずに飛び出したけど離れてしまった影はどこへ消えたの?暗い道にはまばたきする信号機が「迷子の影のお知らせです。」澄ました声でアナウンス崩れた遠近感の夜の街には近くて遠いあの人追いかけてたら足元、飲み込むような深い黒に溶ける声 身体ごと「迷子の影のお知らせです。」あの信号機は探しているわたしの影のことなのかわたしが影の影なのか
わずかに残った時間を早送り美しいままに終わればいいってさ飾られた絵画のよう静かに境界をキープして一枚、二枚 壁隔て触れない距離がね 心地よくて冷たい指に触れてみたなら何かが変わるの?淡い言葉で種を蒔いたら可能性はあるの?溜息は甘いノイズの君の記録(your archives)消せないダイアログ誰にだって 君にだって 見せられない嘘吐きは苦い夜呑んでバイバイ胸のバックアップは誰にだって 君にだって 
ああ 永遠に続くかのようなひとりを抱えてああ 柔らかな水音に沈んで行くモノローグ いま君の住む街では昨日からの雨で冷え込み季節も景色も一足先に冬に変わるでもフリダシにコマを並べて動かせないままああ 僕はまだダイスを振る勇気を持たなくて生まれた時代や生きる場所重なる すれ違うふたりのdifference見慣れた朝にも隠されている新世界の芽が街角、地下鉄昨日と変わるワンシーン毎のドラマ降りだした雨は君
かつての名を刻む錆びた鉄のドアを透明な人たちがうつむき潜るひそかな唇の形を読みあえばわずかなグラス音 小さな合図いまは もうない ぼくらの在り処奪われたその名を取り戻すよそれは盤上で跳ね返るプロタゴニスト革新的なトリックですべて取り込むさ空白の王国は明日の約束を交わさない奪われたその名を取り戻すよそれは盤上を掻き回すシナリオライター壊滅的なポケットの中を弄ぶ積み上げた勲章と後悔ではどちらが高いかな
動き出す 身体の奥には生まれたての螺旋が騒ぐ ほらあじけない つまらない 世界の端見下ろすあなたはだれ?目の前 捲られていくの 触れられない未来(触れられないなら すり抜けていけ)昨日だった世界は予定調和ばかりだけど(不確定なんだから)まだ 絶望、希望 すれすれ紙一重(僕らはまだあやふやで戸惑い揺蕩う)それも愛しいんだ 見えないとしても暗がり、そっと 君の手をひいて走り出す 呼吸に紛れて剥がれ落ち