小窓を開けるまでの素振り からだを少しひねり返せば
解けたひもをたどるように 泳ぎだす うろこのない魚
浅瀬の日向水で待てば 夢心地 かるく砂にふれて
仰向け姿が懐かしい 真緑の空に泡を噴いた
軽く袖まくって 網をはってごらん
君の後ろ姿 ぬれるまで見届けてあげる
石ころ伝い聞こえてきた 細い歌声にもたれかかる
それでも陽射しが邪魔すれば そそくさとあたりを見まわして
木陰はないかと尋ねたら 捨てられた傘が赤いテラス
深く息吸って 波を蹴ってごらん
君の指先が 背けばひろがる夜が
待っている 僕のあとについておいで
ゆっくりと 深追いの雨を見あげたら
軽く袖まくって 網をはってごらん
君の後ろ髪 ぬれるまで見届けたら そう
待っている 鼻唄緩ませておいで
ゆっくりと 深追いの雨が聞こえたら
泳ぎつかれた君の 横顔が遠く
小窓を開けるまでの素振り からだを少しひねり返せば
解けたひもをたどるように 泳ぎだす うろこのない魚
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