amazarashi

曇天 – amazarashi

とにもかくにも僕らの日常は奪われた
描いた未来ひび割れた その破片がこれだ
八つ当たりの罵倒やいらつき、自己嫌悪の里親
疑心暗鬼にとって心の陰こそがまほろば
天気予報ばかり気にして うつむき加減スマホで
今日も今日とて薄雲に太陽は朧げ
日照不足、長雨の令和二年、夏のわだかまり
綴る歌詞にも何故か湿っぽさが間借り

持ち合わせてるつもり人の為に痛める心
だけどもう噂話に配る余裕はない同情
人の知りたいって欲望は果てしない
時にはしたない その引力に逆らい唾を吐く罰当たり
悲劇にだって付いて回る数字と金勘定
人気投票はいいが無視されてる下位の感情
だから頷けない、売れたもん勝ちって価値観
結局は権威主義の上で尻尾を振れってまじか

出来るならばそんな騒ぎとは遠く離れたい
小さな幸福だけど無垢だからこそ馬鹿でかい
分からない奴は分からないままでいい
分かるべき奴だけが気付くテレパシーで作詩してる作品
昨日までと違う日常に右往左往している
まるで捨て犬 「神様、仏様」ってフレーズ
ここで終わりか 駅前、シャッター街また増えてる
せしめるだけせしめて与えない救世主

そうか行くのか この町の栄枯盛衰
訳は知っているから引き止めることもできずに
「またな」と言うな または来ないと知りながら
無理に笑うな 別れはすぐ癒えるかさぶた

もし明日事故にあったら もし明日会社が潰れたら
もし明日愛する人が死んだら
もし明日疫病が流行ったら もし明日災害が起こったら
そんな「まさか」が 何度もあったこの数年を見てきたあなたが
手にしている花束
弱い者や少数派をないがしろにしてはいけないって訳は
明日なり得るあなたの姿だからだ

今日も鳴らすか 取るに足らない音楽と言葉を
今のところは一人で 祈りを没頭に結わえて
陶酔が晴らす憂鬱の煙霧を 出来るならば分かち合いたい仲間たちも
してるはずだ苦悩を
今日の苦心が作る未来の高揚を 今日の落ち込みが作る事態の報告書
疑いそうになる自分を保つのは 結局は創作 たかが凡作 されど音楽

始まり彼方 音に連れられては遠ざかる
疲弊物語る けどこんな時こそ用がある
今日も曇りか 降らないだけましだ旅立て
後は任せた 今日の僕が行けぬ場所まで

そしてまた階段を一段一段下りてゆく 暗闇に心の葛藤だけが反響する
もう一人の自分と今日もそこで落ち合う
見張り合う発想には いつだって静寂が寄り添う
光によく似た 温もりとそっくりな
春の日差しと見紛うような まだ名前のない赤子は
祖父と似ていた 生と死の結び目、そこで僕は立ってた
名付ける前に僕が名付けられた

怒り苦しみ 悲しみだってどうせ消えない
新しい一日に完璧なんてもう求めない
それを知ったって生きてみたくなるような
喜びがあることを知ってしまった だから歩こうか
今日も曇りだ 雨は降らなそう 覗く車窓
人がまばらな公園で今日は遊ぼう
「暑いからマスクはしなくたっていいさ」
不安なく言えるのはまだ先か その未来は

忘れない為に書き殴る今日の出来事
エンドロールまだ来ない悪夢ならペンをとろう
やるせない令和に この空こそふさわしい
騒がしい巷に雲行き怪しい暮らし

人気の新着歌詞

真っ白な世界 – amazarashi

朝 目が覚めたら 雪が降っていて曇った窓こすって しばらく見ていたよあなたの居ない世界は 寒くて嫌いだな子供みたいに愚痴って 僕は家を出る変わらない日々に 何を

コンビニ傘 – amazarashi

冷笑の365日にずぶ濡れのコンビニ傘が土にも還らずゴミでも非ず モノでも非ず役立つでも無く 邪魔するでも無く昼はカラスに啄ばまれ夜には星座を睨みつけ磔にされた街

ワンルーム叙事詩 – amazarashi

家賃6万のアパートで僕らは世界を旅する燃える都市 干上がった運河 呆然と立ち尽くす老人僕らのワンルーム叙事詩は無線LANで 半永久的に加速するその遠心力で横転し

ポエジー – amazarashi

僕らは順応しない 僕らは反省しない 僕らは戦争したい約束は出来るだけしない 百貨店の下着売り場は暗い反政府ゲリラ組織に入りたい 無秩序の無こそ知りたい僕らの溜息

ポルノ映画の看板の下で – amazarashi

古びた団地の陰が伸びる 荒れ果てた花壇飲み込む子供がペンで書いた墓標 吹き曝しの無常に花も咲かねぇ風来のカラス水遊び タクシー会社の駐車場錆びたフェンスが路上に

奇跡 – amazarashi

今夜生まれてくる命と 死んでしまう命そして懸命に輝く命と 無駄に生き長らえる僕「こんな夜は消えてしまいたい」とよく思うけれどお前なんか消えてしまえ 何で今日まで

クリスマス – amazarashi

小さな雪の粒も積み重なれば 景色を変えるのは不思議ですねどうしようもない日も積み重なれば 年月となるのは残酷ですね僕が真夜中の部屋で一人 今年の懺悔を始めた頃遠

夏を待っていました – amazarashi

君はまだ覚えてるかな 幼い頃の暑い六月廃線になった線路を 僕等はどこまでも歩いた乗り気で水筒なんかを ぶら下げてきた雅敏はおじちゃんに買ってもらったマウンテンバ

カルマ – amazarashi

どうかあの娘を救って地球が落とした暗幕に 星座の落書きをする子供達はコンクリートのベッドでアフリカゾウの夢を見る輸送トラックの荷台で悪路に身を揺らしながら廃墟に

夏、消息不明 – amazarashi

夏、消息不明。太陽の熱に干上がった僕らの今日が、コインランドリーの日陰で、ペットボトルを片手にうな垂れていた。夏、消息不明。猛スピードで4号線を走り抜けた僕らの

爆弾の作り方 – amazarashi

干からびた栄光が 国道沿い 血も流さず潰れているぜ欠陥だらけの僕らの 苦悩もこれまた無残な廃品歌にしたって誰も聴かないし いまだに金にもならねぇし今日も夕焼けの

無題 – amazarashi

木造アパートの一階で 彼は夢中で絵を描いていた描きたかったのは自分の事 自分を取り巻く世界のこと小さな頃から絵が好きだった 理由は皆が褒めてくれるからでも今じゃ

アノミー – amazarashi

愛など無い知らない 謎解けない吐きたい 雪溶けない吐けないプラスチックの天の川が 汚染ゆえに遊泳禁止アダムとイブが風俗ビルの空き屋に住むって現世の虚無終電後の下

さくら – amazarashi

その時の僕らはといえば ビルの屋上で空を眺めているばかりバイトを抜け出し 汗と埃にまみれた 取り留めのない夢物語互いに抱えてるはずの ちゃちな不安は 決して口に

ピアノ泥棒 – amazarashi

僕は泥棒 昔の話 話半分は酒の席のご愛嬌真に受けるなよ 本気にするなよ 今となっては笑い話の類僕は泥棒 中野のアーケード 雨宿りの振りして品定めの日曜色とりどり

理想の花 – amazarashi

過去の連なりのくるぶしに できた青痣を青春と名づけてそれをまるで仇のしるしみたいに 夜になる度撫でて想いは晴れたか? もういいよ何も憎まず 心に歌を多くは望まず

おもろうてやがて悲しき東口 – amazarashi

くそ暑い新宿のど真ん中でふいに眼球にしがみ付く映像浮浪者が口ずさむ名も無き歌は 不穏な流れ弾みたいにキャバクラの女が乗ったタクシーに下敷きの社会性に命中遺失物係

この街で生きている – amazarashi

空白みたいな 何もない空を ずっと眺めていたら全部がもうどうでも いいやって思えて来るんだよ ちっぽけな悩みも僕が生まれた 僕が生きてる 街の空悩み出したら き

未来づくり – amazarashi

思えば僕はずっと僕の事 嫌いだったんだ そんな事 忘れてたよ何でだろう 多分あなたに出会ったからです思えば僕はずっと人のこと 疑ってばかりいたよな相変わらず笑う

冬が来る前に – amazarashi

冬が来る前に 夜半の波止場でビールを飲もう星座の肩に腰掛けて 溜息も潮風も似たもんさ冬が来る前に 三保野公園で草滑りしよう水飲み場の横の柱にさ これまでの失敗も

Back to top button