応答せよ、応答せよ
本日、7号線を南下する北風を見送った東北から
押し黙る空を無数に漂流する、出口無きそれぞれの地獄たちへ
「色々あったな」では済まされない、色々の一つ一つを
あるいは、
未だ得体のしれない、心に翳り続ける憂いの数々の出生を
つまびらかにする為に 性懲りもなく
相も変わらず ここに立って呼びかける
応答せよ、応答せよ
ミズーリを疾走する、若き太陽熱と無暗な排気量をもって
人が生きるという巨大な山影に抵抗を試みる少年らは
一つの苦悩につき、一つの窃盗を夜ごと働き
世界への仇討ちが大儀であるかのような腹を決めた形相で
小さな悪事をけち臭く積み上げた
結果、多くの証明を反故にされた私たちはついには瞳を濁し
その青い栄光と失敗にブックカバーを被せ
雪が降る朝のプラットフォーム 出勤前の束の間の空白に
かじかんだ手でページめくれば あらゆる行間に孤独が住み着いたのだ
私の叙情も感傷も、果たせなかった拒絶である
電波塔が貫く空も、下校する子供らの足取りも、果たせなかった拒絶である
カナリヤが鳴いている
それと同じように、私の拒絶は震えている
応答せよ、応答せよ
檻を蹴破れ 服役囚よ
都市の路地 文字起こし 星殺し 拒否オロジー
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