ねえママ あなたの言う通り 彼らは裁かれて然るべきだ
奪えるものは全部奪っていった 崩れたビルに 戦車と夕日
ねえママ あなたの言う通り 隣人は愛して然るべきだ
陰口ほど醜いものはないわ 手を取り合って 微笑み合って
こんな時代に生き延びるだけでも 容易くはないわ どうか幸せに
寝ぼけ眼でテレビをつけて ぼやけた頭に無理矢理流れ込んだ
殺人だ強盗だ人身事故だ 流行だアイドルだ もううるせえよ
人心地つける余裕もなく 僕らの日々は流れに摩耗して
明るいニュースを探している 明るいニュースを探している
ねえママ あなたの言う通り 他人は蹴落として然るべきだ
幸福とは上位入賞の勲章 負けないように 逃げないように
目を覆い隠しても悲鳴は聞かされて 耳を塞いでも目をこじ開けられて
真っ白な朝日に急かされて あの子の家に向かう電車の中
馬鹿な男の下世話な自慢話に 子供を連れ車両を変える母親を見たよ
各々の思想がぶつかり合って 満員電車は個人的な紛争地帯
僕は僕を保つので精一杯で その実誰かの肩にもたれていたよ
ねえママ あなたは言ったじゃないか 嘘をつけばバチがあたると
神に祈れば救われると 苦労はいつか報われると
ねえママ 僕は知ってしまったよ 人間は皆平等だと
世界はあるがまま美しいと それ等は全くの詭弁であると
否定されてしまった性善説の 後始末を押し付けられた僕らは
逃げ場もなく小箱に閉じ込められて 現実逃避じゃなきゃもう笑えねえよ
「人は本来優しいものですよ」 それが嘘だと暴いたのはあんただろ
教育だ宗教だ道徳だ 何でもいいから早く次のをくれよ
ねえママ あなたの言う通り 自分を善だと信じて疑わないときは
他方からは悪だと思われてるものよ あなただけが私の善なのよ
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コンビニ傘 – amazarashi 冷笑の365日にずぶ濡れのコンビニ傘が土にも還らずゴミでも非ず モノでも非ず役立つでも無く 邪魔するでも無く昼はカラスに啄ばまれ夜には星座を睨みつけ磔にされた街
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奇跡 – amazarashi 今夜生まれてくる命と 死んでしまう命そして懸命に輝く命と 無駄に生き長らえる僕「こんな夜は消えてしまいたい」とよく思うけれどお前なんか消えてしまえ 何で今日まで
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爆弾の作り方 – amazarashi 干からびた栄光が 国道沿い 血も流さず潰れているぜ欠陥だらけの僕らの 苦悩もこれまた無残な廃品歌にしたって誰も聴かないし いまだに金にもならねぇし今日も夕焼けの
無題 – amazarashi 木造アパートの一階で 彼は夢中で絵を描いていた描きたかったのは自分の事 自分を取り巻く世界のこと小さな頃から絵が好きだった 理由は皆が褒めてくれるからでも今じゃ
アノミー – amazarashi 愛など無い知らない 謎解けない吐きたい 雪溶けない吐けないプラスチックの天の川が 汚染ゆえに遊泳禁止アダムとイブが風俗ビルの空き屋に住むって現世の虚無終電後の下
さくら – amazarashi その時の僕らはといえば ビルの屋上で空を眺めているばかりバイトを抜け出し 汗と埃にまみれた 取り留めのない夢物語互いに抱えてるはずの ちゃちな不安は 決して口に
ピアノ泥棒 – amazarashi 僕は泥棒 昔の話 話半分は酒の席のご愛嬌真に受けるなよ 本気にするなよ 今となっては笑い話の類僕は泥棒 中野のアーケード 雨宿りの振りして品定めの日曜色とりどり
理想の花 – amazarashi 過去の連なりのくるぶしに できた青痣を青春と名づけてそれをまるで仇のしるしみたいに 夜になる度撫でて想いは晴れたか? もういいよ何も憎まず 心に歌を多くは望まず
未来づくり – amazarashi 思えば僕はずっと僕の事 嫌いだったんだ そんな事 忘れてたよ何でだろう 多分あなたに出会ったからです思えば僕はずっと人のこと 疑ってばかりいたよな相変わらず笑う
冬が来る前に – amazarashi 冬が来る前に 夜半の波止場でビールを飲もう星座の肩に腰掛けて 溜息も潮風も似たもんさ冬が来る前に 三保野公園で草滑りしよう水飲み場の横の柱にさ これまでの失敗も