amazarashi

初雪 – amazarashi

青森駅前に雪が降る 果たせなかったいつかの約束が
バス停に留まる少女が吐いた 白い息と一緒に夜空に消えた
積もりだしたのは彼女の記憶と 感傷とわずかな後悔
長く伸びる僕の足跡も やがてそれに消されるだろう

思えば遠くへ来たもんだ いや と言うより振り出しに戻ったのか
自嘲気味に踏み出すその一歩は 今日も変わらず迷ってばかり
それでもここに留まるよりは いくらかましだと信じてる
肩に積もった雪をみて思う 少し休みすぎたみたいだな

いかないでくれと 呼び止める 思い出を
振りほどいて僕は どこまでいけるのだろ

初雪が 風に吹かれて 僕らの街 通り過ぎただけ
君の優しさ 風に吹かれて 僕の胸 通り過ぎただけ

雪は昨日から止むことを知らず 出かけようとドアを開けた手を止める
綺麗だなと思うより早く 面倒くさいななんて一人ごちる
傘はないし 時間も無い ましてや期待なんてあるはずも無く
ただ向かうべき目的地と 焦燥だけは捨てるほどある

そんな毎日を生きてます 僕はなんとかやってます
これを幸福とは思いませんが かといって不幸とも思いません
ただ 君がいなくなったことで 出来た空白を埋められずに
白黒に見えるの街の景色 決して雪のせいではないのでしょう

悲しいことなんて あるものか あるものか
振りほどいて僕は 急いで出かけなくちゃ

初雪が 風に吹かれて 僕らの街 通り過ぎただけ
君の優しさ 風に吹かれて 僕の胸 通り過ぎただけ

雪は今日も止むことを知らず 急ぐ僕の足はもつれる
笑い合った長い月日も 確かに分かり合えた何かも
全部嘘だと言い切れたら 僕は簡単に歩けるのに
でも大丈夫 ちゃんと 前に進めているよ

初雪が 風に吹かれて 僕らの街 通り過ぎただけ
僕はそれに 少し泣いただけ 冬の風に 心揺れただけ

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