わが名はドリアンヌ
わが名はドリアンヌ
この世でただ独り
永遠を友として生きる者
この退屈な物語
なぜ貴方は聞こうとする
仮面集う夜会
夜毎薔薇は開く
少女の声で歌う
若いままの私
愛おしきはただ退廃と
尽きもせぬ享楽と
艶やかなる肌
血に濡らす
残虐と幻惑と
刻は
月下に散り
微笑みは常に輝けど
愛することなど
倦み果てて
貴方の瞳に映る姿は
空ろな生き人形
穢れ知らぬ手は
抱くことのできない
夜更けに上るのは
開かずの塔の部屋
壁に掛かる私の肖像画
描かれたその貌だけが
また醜く
年老いていく
誰も知りたくない
真実の己を
胸へと塗り込めた
数々の罪を
光は暗闇覆うごと
凄惨に傷ましく
衰えぬ美こそ祝福の
悪の神
わが命
戻る術はいらぬ
虚無から羽化した絶望が
目映く世界を映し出す
貴方の深い瞳に
忘れた心が
甦ろうと
愛おしきはただ退廃の
尽きもせぬ快楽と
厳かなる時間
血に浸す
残酷と幻覚と
今だけを見つめて
涙の先には何もない
愛することなど意味はない
それでも
生きているのは
変わらぬ私である為だけ
あの絵を断ち切る
ナイフなど持たずに
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