黒沼英之

  • 雨宿り – 黒沼英之

    雲間からのぞく青い春旅立ちのときを待っている 入れておくれその木陰に雨が止むまででいいよいつか同じ夢を見たな君は覚えてる? 晴れたらもう君はいないけど僕のシャツもやがて乾くだろう悲しむことなどないのですまたきっと会えるよ雨宿り 洗いたての太陽が笑う水たまりは空を描いた 見せておくれその願いをくだらなくたっていいよ今も同じ夢を見てる僕は変われずに すごいスピードで雲は形を変えていく僕もそんな風にいら…

  • 心のかたち – 黒沼英之

    街ですれ違う人僕が出会う人本当に限られた糸をたぐり寄せていくいろんな心に触れて重なると嬉しくて分かり合えないと気づいた時空しさに呑まれる 言葉や気持ちの渦に巻き込まれて自分が消えていた 僕の心のかたちを君が教えてくれるんだその一言一言がなぞるように輪郭を描いて隣で笑ってくれると僕にだって出来ることがある、と自然と力が湧いてきてこんなに強くなれるだから今ここにいるのは君がいるからなんだよ 波風立てた…

  • I cant stop the rain – 黒沼英之

    モスクワもソウルも今日は雨らしい冷蔵庫はビールとバターテレビが映すメルカトル図法世界はひどくひび割れてた 真夜中過ぎに呼びつけるクセも慣れはじめてるでも今夜はちょっとうっとおしいんだオートリピートのディランは22歳永遠にやまない雨を歌う I can’t stop the rainso, I can’t stop the rain僕には何も出来やしないけどI can̵…

  • UFO – 黒沼英之

    今度、僕らの街に銀のUFOが来るって噂君は知ってる?誰もいない校庭に光集め秘密の願いを叶えてくれるんだ 地図もないのにちゃんと来れるかな迷わないでどうかどうかこの声を聞いてよ もしも僕が見つけられたら君を連れ出しに行くから窓をそっと叩く音に耳を澄ませていて答えなんてどこにもないのにどうしてこんなに苦しいの誰も知らない世界へと二人で行けるよ 行こうよ 思うようにいかないことばかり、とポケットに散らば…

  • 君に唄えば – 黒沼英之

    どんくさくてドジばっかりでなにをしてても上手くいかない叱られ慣れてそれもむなしくて頭の奥で低い鐘が鳴る 僕がいなくたってさなんてバカみたいなこと本気で思ってそれなら黙っていればいいのに電話だってしちゃうんだ 要するに足りなかったのは君の声で久しぶり、と言われるだけで少し泣きそうだ仕事の不満とかを理由にしてたけど要するに足りなかったのは君との時間 もてあました急な休みは考え事が増えて困るななにしてん…

  • デイドリーマー – 黒沼英之

    空に汽車を浮かべて風の道を見ていたしずかな日差しの日曜日 想像の世界ならどこまででも飛べるよ今すぐ遠くまで行こう さあ地図なんてない旅路さそれもいいだろうただ信じる気持ちだけが魔法になるよ 雲を線路にしては鳥とたわむれながら小さくなる街を見てた 誰も知らない丘で歌など歌いながら夕日に涙を流すだろう まだ大人になれない心が顔を出すからまた困らせてしまうね悪気はないさ 戻れない時間の階段を僕らは上る胸…

  • 告白前夜 – 黒沼英之

    子供のころ自分以外はみんなが作り物でパパとママだって電池で動いているんだと信じていた鏡に映るこの顔からはどうやったって逃げられないこの目も鼻も口も手も足も爪も髪も伸びる影も 教室で先生のつまんない話あくびしてる地球の裏側で恋人たちは愛を確かめ合っている 僕の知らない世界でそんな風に営まれる生活にあきれるほど真実味はない長い夢を見る途中 チャイムが鳴り響いているあの娘は答え合わせしているノートに書い…

  • 深呼吸 – 黒沼英之

    また泣いてたんだね顔見りゃわかるよ無理しなくていいけど嘘つかないでよ笑わないでよそらさないでよ 本当のことは誰よりも自分がわかってるからわかったようなことばっか言われて悔しくてしかたないんだね 目を閉じて息を吸って立ち止まったらもう考えるな感じるまま歩き出せる ラジオから君の好きな歌が流れてる少しやさしすぎる真面目さが君によく似ているね 本当は自分が誰よりも自分を信じたいけど同じくらいに自信もなく…

  • パラダイス – 黒沼英之

    白い息をふかしながら東京のど真ん中で流れ星を探していたいつまでも飽きもせずに きみがそっと差し出してくれた温かな手のひらをもっと強く握り返すことが出来たならよかった どこにもないなら二人で作ろう誰にも邪魔できないパラダイス 揺るがない幸せは遥かずっと遠くに僕らを待ちわびてそこにあるって信じてたやみくもに船を漕ぎたどり着くその場所ではもう何も隠したり怯えたりしなくていいんだよ 踊り続けるんだ 夜が明…

  • 雪が降る – 黒沼英之

    定時で会社飛び出して17:30 の特急に乗り込む君はもう待っているのかな宝くじ売り場前 懐かしい CM みたいに柱の影に隠れていた去年のプレゼントにあげた真っ赤なマフラー見つけるよ 派手なモニュメントに鐘の音が色を添えるいつのまにか冬の風が鼻をツンと刺すよ 今夜、僕らの街に雪が降る恋人たちは空を見上げて子供みたいにはしゃいで少し忙しさ忘れられるよいつか思い出になる今日の日を雪は記憶のふちを彩るふた…

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