麻生詩織

  • ろくでなし – 麻生詩織

    あんたがおもう そんな女性がどこかにいたら お目にかからせて男の中に 住んでる虫が綺麗な花を また追いかけるろくでなし 強がるけれど本当は 可愛い 可愛い坊やろくでなし 朝方までに帰っておいでよ ここへ あんたは愛を いつも食べ残し自分勝手に 悲しいふりしてる心を着替え 今夜も街の酒場で夢を またひろげてるろくでなし 淋しがり屋のお尻が青い 青い坊やろくでなし 酔いつぶれても帰っておいでよ ここへ…

  • 泣いて泣いて – 麻生詩織

    哀しくって哀しくって 涙が途切れない今は泣いて泣いて早く忘れたいの倖せって 不倖せと いつでも背中合わせ眠りましょう 独りの夜は 迷い子の迷い子の仔猫ゆうべの私に似てる出された両手を振って雨の中を逃げた びしょ濡れの心が張り裂ける思いが 私には判る めぐり逢いは めぐり逢いは 別れの一里塚今の人が次の季節 他人かもしれないああ都会はなんて綺麗 見せかけの薔薇の花蜃気楼を見ているみたい ふらふら ふ…

  • 忍冬 – 麻生詩織

    ひとつの歳を 重ねる度に綺麗になるって 本当ですかためらいがちに うなづくけれど心の迷い 消せません ああ 夢より近く ああ 夢より遠いそんな近さで愛されるならどうか私の体を抱いて忍ぶ 忍ばす 忍冬(すいかずら) 一度だけの 人生だから選んでください あなたの方で私でいいの? あなたの隣歩いてゆける その女は ああ 淋しさばかり ああ ゆりかごにしてひとり枕を 抱いてたけれど愛と呼ばせて あなたの…

  • 背中めがけて投げキッス – 麻生詩織

    別ればなしは うまく言ってよ都会暮らしの 男じゃないのつくり笑顔で うしろ姿を見送りながら ため息ひとつ追ってみようか 止めようかそれともすがって 泣きましょうかゆれ動く ゆれ動く あたしの心 背中めがけて 投げキッス想いをこめて 投げキッス涙こらえて 投げキッスちょっぴり淋しい 街の夕暮れ はしゃぎすぎてる恋人たちが今のあたしを 哀しくさせるとり残された おんながひとり車を止めて 家路を急ぐ電話…

  • シナリオ – 麻生詩織

    何も云わないで おやすみなさい疲れた体を 投げだして あなたの安らぎに なれるのならそれで私 生きてゆける 人生のシナリオ 書き足すことよりも今日の続きを 演じられたら 何もいらないあなたのシナリオに 私をあずけるわ通り過ぎた時間を 閉じ込めて 窓越しに見える 都会の広さどこにも行かずに そばにいて あなたの腕の中 いられるのなら他に何も 欲しくはない 人生のシナリオ ふたりで綴れたらたとえ涙も …

  • 夢の降る街 – 麻生詩織

    青い森を抜け 辿り着いた街は星も雪も無く 夢だけが降ってた独り 淋しさに凍え 聞いた 優しい声受話器 持つ手震えても 強がった あの日近道のない旅だから 私らしく 歩けばいい振り返れば きっと降り積もる しあわせの華 白い息を吐き 空を見上げた夜そっと手のひらに 綴ったあこがれあの日手を振るあなたに 背中 向けられずに強く 抱いて にじませた 愛しい風景巡り行く季節の風に 迷いながら 濡らした夢目…

  • 夜明けのトンボ – 麻生詩織

    向こうみずね ないものねだりねまるで無邪気な 一幕芝居ね季節の継ぎ目を 越せないままでさよならですか あなたもたぶん 夜明けのトンボおもいでくわえて 背を向ける男はみんな 夜明けのトンボ女の胸を 貸りるだけ はやり歌の 別れの言葉が何故か今夜は 心に沁みるわ水割りグラスに 涙がにじむあなたのせいね 戻っておいで 夜明けのトンボ私がまぶたに 映ったらいつものように 夜明けのトンボ冗談云って 笑わせて…

  • 恋唄綴り – 麻生詩織

    涙まじりの 恋唄は胸の痛さか 思い出かそれとも幼い あの頃の母に抱かれた 子守歌ああ……夢はぐれ 恋はぐれ飲めば 飲むほど 淋しいくせにあんた どこにいるのあんた 逢いたいよ 窓にしぐれの この雨はあすも降るのか 晴れるのかそれとも涙が かれるまで枕ぬらして かぞえ唄ああ……夢はぐれ 恋はぐれ泣けば 泣くほど 悲しいくせにあんた 抱かれたいよあんた 逢いたいよ ああ……夢はぐれ 恋はぐれ飲めば 飲…

  • 紅葉前線 – 麻生詩織

    ひと足先に 信濃路を秋の絵筆が 伸びていく街道筋の 旅の宿ひとり泊まるも もの悲し 女盛りの 季節は短い足踏みばかり させないであなた恋しい 心も肌も紅葉前線 はかなく燃える 十日もすれば 凩が冬の便りを 告げていくあなたが居れば 俳句でもお酒片手に ふたつみつ 無我の夢中で すきになるのはどうしていつも 女だけあなた私を 欲しいと云って紅葉前線 心にしみる 女盛りの 季節は短い足踏みばかり させ…

  • みちのく本線 – 麻生詩織

    隠し切れない 心の辛さぬぐえるものは ありますかもしも答えが 出せるならあなたに聞いて みたかった さよなら あなた これきりですね悲しまないわ これ以上みちのく本線 知る人もなく窓の向こうは 奥州路 笑い話しで 済ませるなんて女にすれば 無理なこと桜咲く日を 待ちきれず私はひとり 北へ行く 片道だけの 切符の文字が心をゆすり 泣けと云うみちのく本線 薄墨模様雨が心に 突きささる さよなら あなた…

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