麻丘めぐみ

黄昏のテラス – 麻丘めぐみ

黄昏のテラス むらさきの風が
頬をなぜて 泣くなよと通り過ぎる
私はすえない煙草を指に
遠くなったひとの ことを想うの
ブラックが好きな あのひとを真似て
にがい珈琲気どりながら のんだけれど
想い出誘うだけ 涙があふれ
蒼(あお)ざめてる 私ひとり

黄昏のテラス 想い出の歌が
不意に流れ なつかしさこみあげるの
つば広帽子を まぶかにかぶり
ぬれた顔を かくしながらきいてる
チラチラともる 街あかり見つめ
低い声で同じ歌を 歌ったけど
今では言葉さえ 忘れてしまい
蒼ざめてる 私ひとり

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銀世界 – 麻丘めぐみ

自動車(くるま)の灯り ちらちら寒さの中で またたく私は窓に もたれてそれを淋しく 見つめていますなれないタバコ ふわふわ見知らぬ人と 踊ってはなやぐ夜の 原宿

「いちご白書」をもう一度 – 麻丘めぐみ

いつか君といった 映画がまた来る授業を抜け出して 二人で出かけた哀しい場面では 涙ぐんでた素直な横顔が 今も恋しい雨に破れかけた 街角のポスターに過ぎ去った昔が

悲しみのシーズン – 麻丘めぐみ

それがふたりにとって 幸せというのなら頬の涙ふいて お別れしましょうそっと額にかかる 髪の長さが好きとほめてくれたことも 気まぐれなのねいいことも悪いことも あ

映画のあとで – 麻丘めぐみ

彼と二人のデイトは 小雨の映画街あこがれの あのスターをロードショウで見たの胸を打つ 場面では幾度涙がこぼれたことかしら映画をでたらあたりは黄昏(たそがれ)どき

風暦 – 麻丘めぐみ

あなたの 語りかけるような話し方が好きでしたたとえば私が 小指を切った時白い包帯巻いてくれたあなたはもう小さな アルバムの中で笑っているだけの人泣きながら 部屋

夜霧の出来事 – 麻丘めぐみ

街の灯が 遠慮がちに点(とも)りだし夕暮れが 音も無く近づけば胸にふとよぎる 淋しさは何故でしょうねえあなた やさしさをくれますかさりげない いたわりをくれます

夏八景 – 麻丘めぐみ

夏です どなたもうきうき夏です夕立ちあとの 蝉しぐれ虹です 突然大きな 虹です相合傘の終りです花火がポンとはじけた時くちびる盗んで行ったひとビキニの胸をかくした

20才 – 麻丘めぐみ

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卒業 – 麻丘めぐみ

卒業します あなたの腕から幸せでした どうもありがとうめぐり逢って 愛し合ってここまで来たけど鳥が空へ 飛びたつように別れてゆく 二人何も知らずに 生きていた私

すみれの便箋 – 麻丘めぐみ

すみれの便箋に 待ちますと言う字が美しくにじんだ 貴方への恋文夕やけをぼんやり 見るのもひさしぶり愛すると言うのは さみしい事ですね早くお迎えに 早く来てほしい

恋のあやとり – 麻丘めぐみ

ノーと首を 振りながらもイエスと心は 叫んでる女心 ちぐはぐなの言葉のあやに 気が付いてね手をつないで 眠ってみたいのよもっと 知りたいことがある送ろうかと ま

風邪をひいた彼 – 麻丘めぐみ

季節はずれの 風邪をひいたあなたを見舞いに 訪れたそうよ私は はじめてなのあなたのお部屋へと 来たのは冷たいタオルを ひたいに乗せたりリンゴをむいて 食べさせて

恋にゆれて – 麻丘めぐみ

誰もいない部屋で 二人きりがあなたよくある話だけど こわい愛があればいいと 胸で十字架切れば私まけてしまうと思う心じゃ許しているのあなたの匂いのするものが欲しい

雪の中の二人 – 麻丘めぐみ

躰の温(ぬく)もりを 奪いとる冷たい木枯しが 吹いてくる雪があたりをすべて白く埋めつくすあなたの私へのいたわりは言葉にしなくても 分かるのよ指で遅れ毛そっと 直

ひまわりの花 – 麻丘めぐみ

ひまわりの花は お陽様を向いていつでも何かを お祈りをしてるルルルあの人のお仕事 羊飼いなのよ日暮になったら 帰ってしまうのルルルだからお陽様 沈まないでねどう

ウェディング・ドレス – 麻丘めぐみ

角のお店で 見つけたわ白い白いドレス ウェディング・ドレス誰が着るやら 人待ち顔で長い長い ウェディング・ドレス教会の鐘 小さな指輪誓いの言葉 やさしいキッスお

グッド・バイ – 麻丘めぐみ

今夜も電話 こなければいいますあなたにグッド・バイ グッド・バイあしたも手紙 こなければ悲しくあなたにグッド・バイ グッド・バイあまえて 言うんじゃないわ意地悪

ヘイ・ミスター – 麻丘めぐみ

ヘイ・ヘイ・ミスター私をどうぞあなたの恋人の ひとりに加えてプリーズ プリーズ プリーズヘイ・ヘイ・ミスターいい子にするからあなたが くちづけした指に私の唇 お

ひとりの私 – 麻丘めぐみ

今頃あなたは 何をしてる私が泣いてる 訳も知らず足にかけた 小さな膝かけあなたの においもしない窓辺の合歓(ねむ)の木 風に揺れて私のかわりに 泣いてくれる眠い

そよ風のテラス – 麻丘めぐみ

あなたとすわるの 街のテラスそよ風わたる 木蔭のお店なの今日は白いドレス 着たのに何もあなた 気づいてくれないそれでも怒った 顔できないあなたのすべて 好きな私

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