少しはわたしを好きでしたか – 高見知佳

波止場をさすらうツバメを数えて明日を 占えばもうじき 愛しいあなたはボートに揺られて 会いに来るくちびる 咲いたよ くちびる春の前線が 街を彩る頃悩ましく ヌー

オシャレする　気にもなれない間伸びした　週末は二度と来る　はずのないあなたのTel　待ってる恋人で　いた頃だってこんなには　待てなかった私には　出来すぎたけなげ

なぜ　せつないのは　なぜなぜ　やるせないのは　なぜBecause, becauseなんて罪なあなた遊び足りない　恋人達で土曜の夜は　今がピークね帰さないって　言

探してよ　私はここ裸足(はだし)で駆けまわる水玉の服ひらひらジャングル育ちよ恋してよ　私は今河で水を浴びあなたが来るのを　待っているとこ探してよ　私はここ赤い木

あなたと行った展覧会ではじめて見た　セザンヌの絵の数々その淡い彩りの中に　あなたのやさしさを見つけたあなたが偉い画家になる日を夢見ていた　あの頃の私たちは貧しく

あなたが私に　会いにくるのは他に行く場所が　ないときだけね愛してることを　かくせない不器用な私を　思い出すときだけ仕事の続きや　飲み友達あなたを取り巻く　忙しい

キャベツから恋が生まれれば夢だけ食べて　暮してゆけるたとえば　真昼の強がりも夜には素直に　なれるからlove information　コインが裏なら男にずるさに

たわむれの恋に　踊るなら少しスローな　ブルースにして背中にまわした　あなたの右手裸のわたしを　きっとさがすはずDancing dollいまさえよければ　いいじゃ

さよならの　くちづけのあとでびしょ濡れの涙なの　あなたが好き！口紅のはなやいだ若さ見せるスキもなかったハートのエースを引いただけで迷い子になる　私ですねミラーを

悲しみよ　こんにちは微笑みは消さないで　お願いだから悲しみよ　こんにちはせつないね　ふたりには戻れないあの娘の気持ちを　きいたのはあなたが帰った　静かなテーブル

曲り角で　迷ったとき遠い歌が　耳をかすめたふりむいたら　あなたの愛ひとりじゃないって　はじめて知った愛は　シャイニング・スター心の　シャイニング・スター私を導い

読みかけの　James Bond飲みかけの　スパークリング・ワイン倖せには　もひとつ　それはあなたなのDarling, call me tonightPleas

ひとの前では　馬鹿ばかりにぎやかだけが　とりえの私好きだとまじめに　言いだせなくて友達にされちゃう俺の女に　なりなよあいつ酔ったいきおいで言ったひやかされただけ

声かけたのは　あなたが先よ灼けつく渚は　危険がいっぱい水着の跡に　くちづけされて思わずふるえた　18の夏よあなたなら　いいわあなたなら　いいわ教えて欲しいのよ　

チークタイムも　おしゃべりもマティウスのあわのようにParty is overParty is overはじけて消えたあなたは窓辺の肘かけ椅子でゆらりゆられて時

Oh！　サミーあなたの胸を　ノックする私の指に　気づいて欲しいOh！　サミーひとごみの中　かきわけてあなたのそばに　来たと言うのにきらめく朝つゆも　海に眠る真珠

東京ブギウギ　リズムウキウキ心ズキズキ　ワクワク海を渡り響くは　東京ブギウギブギの踊りは　世界の踊り二人の夢の　あのうた口笛吹こう　恋とブギのメロディー燃ゆる心

だから　忘れさせて　イエスタデイそうよ　まぶしすぎる　イエスタデイさがさないわ　そうよあの日のメロディーあなたは大人よ　顔も変えずにいつもの場所で　車を止めた私

ミスター・レイン　レイン　レイン傘もささずに(Please Please Mr. Rain)あなたに抱かれて　街を歩けば(Come stay with me)ミ

そして二人テラスで砂がすべるテーブル缶のビール片手にいつもの様なサンセットいいの　分かっているの嘘が下手なあなただから波の音を背中に　夏を選んでちょっと淋しい瞳