須澤紀信

なんでまだ好きなんでしょうか – 須澤紀信

歪な都会の日常に
呼吸がしづらくなってしまって
無邪気な頃の自分を取り戻すように
逃げ帰ったんだ 僕の街へ

何年積み上げたって人間(ひと)は
見せかけだけ大人に変わって
夢と現実を行ったり来たりさ
ただ君だけは あの頃のままで

なんでまだ好きなんでしょうか 不確かで疼く胸の痛みは
色褪せずにまだ 鮮やかに残ってる
なんで君だったんでしょうか ずぶ濡れで錆び付いたはずなのに
また動き出したんだ あの日から 空白のままだった 次のページが

今更言いだせない言葉
心でハウリングを起こす
ジンジャーエールとアルコールを間違えて
しかめっ面 気が抜けやしない

これは僕だけなんでしょうか 君の声を逃さないように
平静を装って また耳を澄ましてる
このモヤモヤはなんでしょうか? 形も無く身体中を埋め尽くす
崩れてしまいそうだ 叫ぶほど もがくほど 足掻くほど 思い知るんだ

臆病の風が吹く 今までの僕ならそれで投げ出すんだけど
もう逃げ出さない

なんでまだ好きなんでしょうか 不確かで疼く胸の痛みは
色褪ずにまだ 鮮やかに残ってる
始まりも終わりもなくて ただ消えていくはずだったのに
もう手放せないよ 戻れない 戻らない 何度でも君を想うよ

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