須澤紀信

  • ドライフラワー – 須澤紀信

    移ろう時の中で 訪れた結末に心は鈍くて 相変わらず愛しい二人で歩いたのは 迷路なんかじゃなくて月明かりの下 淡く照らされた道 躓かないように 繋いだ手を放さないで出会って間もなく ひとつだけの約束 良く言えば始まりで 悪く言えば終わりだけどそんなことよりも まだ君といたかった不器用な愛情で 伝えきれない優しさでもがいていたんだよ 引き離されないように 「週末、晴れてたらね、行き先は決めてるの」「ご…

  • パセリ – 須澤紀信

    すぐ邪魔者扱いしないで ちゃんとここにいる意味があります“いる”か“いない”かのちょっとした違いを君はどうせ気付きもしないけど小洒落た服で着飾って 君の中の小悪魔がはみ出して自信満々で見せつけられても 中身のだらしなさにばかり目が行く 素敵なオードブルに添えられたパセリの気持ちもわかんないのそんな君に一体僕の何がわかるの 生き急ぐ途中で 必死に拾い集めたものは自分だけが輝くための材料かあまりに小さ…

  • 一匙の魔法 – 須澤紀信

    タタタントタントターンタント ナイフ鳴らし出来合いの生き方を切り刻んで情熱とこだわり そう挫折さえも スパイスになる 色鮮やかにひしめく器の中熱く燃える 愛のルネッサンス始まってしまったんです この一匙の魔法が溶け合った僕らは無敵さ宝石箱のようさ 体中でカンタータさあ今すぐ火をつけて ほら火傷に気をつけて戸惑いながらダンスダンスダンスでもやっと今 アンダスタン あの日あの時あのパッション 今だって…

  • 希望のうた – 須澤紀信

    夜明け間近の街は少し燻んでいて呼吸をするたび重くのしかかる頑張れって言葉が皮肉に聞こえたりいつの間に狭い心 そっと撫でてやろう 振り返れば どんな時も 大切な人が手を振っててああ、そうだよ 一人になって初めて 独りじゃないことがわかった 僕たちは旅人だろう 立ち止まるも進むも自由なんだよでも忘れちゃいけないことがある 帰る場所があるからこその自由だってどこへ行こう どこまで行こう 今日は今までの話…

  • アソート – 須澤紀信

    滝のような雨に打たれ 冷え切った身体を投げ出し指先から 溶けて消えてしまえばいい それで終わりなんだ 君と買った服を着て 君のいない街を歩く変わり果てた ありふれた日常を 少しずつ馴染ませていく 消せない履歴 雪の降る空にただ疑うことも忘れ 同じ未来を望んだ 君が選んだことなら 抉れた痛みも愛せるかな失って気付くことばかりだ 僕の世界は君で出来ていた うだるような真夏日に 消えて無くなった まるで…

  • 1日の終わりに – 須澤紀信

    大げさなことではなくて 時計の針が真上に戻ると今日が昨日に 明日が今日に まるで瞬間移動したみたいだ ところが僕だけが今日に 取り残されたままでいて慰めとねぎらいの言葉を 自分にそっと差し入れ チクタクチクタク時計の針が少しずつ明日を削っていく また後悔のはじまり 1日の終わりに考える事は海の向こうでも 空の上でもなくてとても身近な半径50cmの出来事のあれやこれ 不器用にも無謀にも 生き長らえた…

  • omake – 須澤紀信

    掲げているのは利用価値だけ あとは取って付けた自分だナンセンスだろう スポットライトを浴びた君が眩しすぎたんだ 作られた笑顔 とろけきった声 キレイに飾られた目の奥映っているのが 僕からちょっとだけズレていたって構わない 誰かにとやかく言われなきゃならないほど幸せの意味を履き違えてる なんて思ってないさ まるで着せ替え人形みたいに 嘘や理想を着飾ったりして難攻不落に見せても 君は崩れゆくまるで操り…

  • なんでまだ好きなんでしょうか – 須澤紀信

    歪な都会の日常に呼吸がしづらくなってしまって無邪気な頃の自分を取り戻すように逃げ帰ったんだ 僕の街へ 何年積み上げたって人間(ひと)は見せかけだけ大人に変わって夢と現実を行ったり来たりさただ君だけは あの頃のままで なんでまだ好きなんでしょうか 不確かで疼く胸の痛みは色褪せずにまだ 鮮やかに残ってるなんで君だったんでしょうか ずぶ濡れで錆び付いたはずなのにまた動き出したんだ あの日から 空白のまま…

  • オリーブの実 – 須澤紀信

    0から踏み出す 僕は初めて1を知るポケットに夢を 首から現実をぶら下げて ブリキのロボットが 机の上を歩いてくもうすぐ落ちちゃうなってところで ネジが切れたんだ 膨らんだ夕陽 子どものはしゃぎ声 響く公園君がいなくなった夢を 思い出して苦しいや だって僕ら嘘まみれ また会おうなんて言ったって根拠のない自信を抱いて 待ち続けるしかないんだだから今すぐ言わなきゃ 目の前の君に伝えなきゃありがとう あり…

  • 考えたくもない – 須澤紀信

    朝焼けに僕の心は吸い込まれてしまった 動けないやあれほど決めたのに僕はもう君のことを思い出しているんだ あまりに自然に Ah Ah なんて素っ気ない街だ音を消して近づいてくる現実(リアル)に もう負けそうだ 嗚呼 どうせならもっと君との愛に酔いしれていたかった「今頃君は…」なんてしょうもない堂々巡りを繰り返してるんだ 考えたくもない 幼い愛し方しかできなかったこと 後悔してる誰かの言葉を借りても届…

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