青木光一
柿の木坂の家 – 青木光一
春には 柿の 花が咲き
秋には 柿の 実が熟れる
柿の木坂は 駅まで三里
思いだすなア ふる里のヨ
乗合バスの 悲しい別れ
春には 青い めじろ追い
秋には 赤い とんぼとり
柿の木坂で 遊んだ昔
懐しいなア しみじみとヨ
こころに返る 幼ない夢が
春くりゃ 偲ぶ 馬の市
秋くりゃ 恋し 村祭り
柿の木坂の あの娘の家よ
逢ってみたいなア 今も尚ヨ
機織りながら 暮していてか
春には 柿の 花が咲き
秋には 柿の 実が熟れる
柿の木坂は 駅まで三里
思いだすなア ふる里のヨ
乗合バスの 悲しい別れ
春には 青い めじろ追い
秋には 赤い とんぼとり
柿の木坂で 遊んだ昔
懐しいなア しみじみとヨ
こころに返る 幼ない夢が
春くりゃ 偲ぶ 馬の市
秋くりゃ 恋し 村祭り
柿の木坂の あの娘の家よ
逢ってみたいなア 今も尚ヨ
機織りながら 暮していてか
あの娘は波止場で 涙顔俺は出てゆく 船の上つらい別れの 投げテープ『元気でネ さようなら』むせぶ汽笛が あゝ 身にしみる見送る鴎も 二羽三羽山も港も 遠ざかる薄
空…雲…夢……そよぐプラタナス今日のデイトは 外苑広場赤いジャンバーが 似合うよあの娘あゝあゝ 青春の並木道逢えば行こうぜ ボーリング赤…白…青……浮ぶアドバル
ふるさとへ ふるさとへ汽笛鳴らして 汽車はゆく恋ものぞみも あこがれもみんなあきらめ ふり捨てて故郷へ帰る 汽車の窓赤い夕日が さみしいぜさようなら さようなら
粋にかぶった 烏打帽子皮のジャンバーも 似合うだろ街のシグナル 赤青黄色渡るこの世も ハンドルまかせ『お客さん』『どちらまで』僕は流しの僕は流しの 運転手駅で拾
昨夜(ゆうべ)も君の 夢見たよなんの変りも ないだろね東京恋しや 行けぬ身は背のびして見る 遠い空段々畑の ぐみの実もあの日のまゝに うるんだぜ流れる雲は ちぎ
海をへだてた 二つのこころ思い通わす たより船いとしあの娘も みかんの木陰待っているだろ 小島通いの 小島通いの郵便船ロマンチックな 燈台岬いつか曲がって もう
おふくろも親父も みんな達者だぜ炉端かこんで いつかいつしか東京のお前達二人の話に 昨夜も更けたよ早くコ 早くコ田舎へ 帰ってコ東京ばかりが なんでいいものか好