霜月はるか

un secret – 霜月はるか

異国の風に流される侭(まま)
眩(まばゆ)すぎる朝に目醒(めざ)め
故郷(こきょう)の地まで
繋がった空へと手を翳(かざ)す

過去を分かつ馬車の轍(わだち)
千の煌めきの宮殿へ
黄金(きん)に染まる太陽(ソレイユ)の
徴(しるし)掲げた門をひらく

咲き誇れる
一輪の薔薇が見つめていた
かりそめの刻
王妃(しょうじょ)の瞳(め)に隠された世界は
誰かの[秘密の]愛と真実(ヴェリテ)

拗(こじ)れた運命(いと)が選んだ小指
部屋に残る その溜息
俯(うつむ)く姿
向かい合う鏡は何映す

楽(がく)に溺れ踊りましょう
何処か懐かしい月の夜(よ)に
強く深く抱きとめた
痛みもせずに刺さる棘を

暗闇でも気高き薔薇は輝くから
光と影を相伴(あいともな)う旋律をなぞって
囁く[秘密の]愛の言葉

零れてゆく想いのように
剥がれてゆく花びらが
遠い夢を描(えが)く…

失っても
あの日の薔薇の美しさを忘れられない
王妃(しょうじょ)の瞳(め)に隠された世界で
語るは[秘密の]愛と真実(ヴェリテ)

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