霜月はるか

緋色の薔薇 – 霜月はるか

Rem le zhe la Malice le marie arlie.
(永遠に、私は魔女の呪いから逃れられない)

Rem la fatlauwa.
(私は識っている)

月夜に咲く緋色の薔薇
崩れてゆく硝子の城から逃げられずに
独りで未だ夢を見ているの

血に濡れた指で穢(けが)れた
忌まわしき過去と未来を守る価値がある?
綺麗な言葉を並べても虚しいだけでしょう

何処かでまた貴方と巡り逢えたなら
愛してなんて願わないわ
永遠とは孤独でつまらぬものだと
ひび割れた棺の中で永別(わかれ)を嘯(うそぶ)いて

Rem le marie, Fem la noh arue.
(私の眷属よ、去りなさい)

Fem le mea roze wario.
(貴方が愛する、沢山の花が咲く地へ)

Rem le marie Yar le marie.
(最後の命令です)

乱れて散る緋色の薔薇
眠り姫を硝子の筺(はこ)から
連れ出すのは貴方の腕
出来すぎた“物語”(はなし)

口づけた首に癒やせぬ呪いを刻んだ
魔女(わたし)に生きる意味がある?
二度とは戻れぬ茨の道を往く…貴方と

迷いの森深くに出口はないから
幸せなんて願わないわ
楽園とは呼べない小さな箱庭(せかい)で
互いを満たし合うだけの譫言(うわごと)繰り返す

盟約(さだめ)がもし貴方を狂わせるのなら
この手で全て終わらせるわ
銀剣(つるぎ)よりも鋭く曇らぬ誓いを
その日まで毒の杯傾ける罪人

Rem lu Fem le horia.
(私も貴方も愚者)

赦(ゆる)してなんて願わないわ

Rem lu Fem le marie.
(私も貴方も犠牲者)

何よりも甘い言葉で唇を濡らして
もう少し貴方と同じ夢を見ていましょう

Fem le woe.
(貴方は云った)

“Rem le noh mea roze, Fem la Rem le roze”
(“多くの花は失ったけれど、僕だけの花を手に入れた”と)

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