隷(れい)
脆性(ぜいせい) 闌干(らんかん)で
獺祭(だっさい) 絶天佑(ぜってんゆう)
蒙昧(もうまい) 論罪(ろんざい)の 合切(がっさい) 及ばざれ
灰燼(かいじん) 連環(れんかん)す 存外(ぞんがい) 輪転(りんてん)す
呪力の 隷(しもべ)よ
只 るいるいと 積もる 塵に
理(ことわり)は 要らぬ
衆生(しゅじょう)の 道にて
従臣(じゅうしん) 重用(ちょうよう)で 傀儡(かいらい) 量産す
叛(そむ)ける 陰陽の 端倪(たんげい)すべからず
牢人 淪没(りんぼつ)す 背負(しょう)う蝿(ばえ) 繁冗(はんじょう)す
意力(いりょく)の 隷(しもべ)よ
他我(たが) 磊磊(らいらい)と 贖(つの)る 才(かど)に
断りは 要らぬ
附属(ふぞく)の 覇気にて
花 散り初めし 霧海(むかい)に 在りて
此の またたきを 絶やしてなるか
花 咲き初めし 佳境(かきょう)に 在りて
其の 囁きぞ 此処乍(ここなが)らの 孤立
憂い 心に 殊更(ことさら)めいた 独り琴(ごと)を
隠すより 現れた 裡(うら) 其の 貌(かたち)
清濁(せいだく) 蘭艾(らんがい)は
弄玩(ろうがん) 順慶流(じゅんけいりゅう)
長城 爛壊(らんかい)で 雑載(ざっさい) 竜に見せ
灰燼(かいじん) 連環(れんかん)す 存外(ぞんがい) 輪転(りんてん)する
呪力の 隷(しもべ)よ
只 るいるいと 積もる 塵に
理(ことわり)は 要らぬ
衆生(しゅじょう)の 道にて
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紺碧の双刃 – 陰陽座 不破野の 空を 東より浪速へと 飛ぶ 鳥の影糜爛の 雲を 迅雷と貫く 戦端の矢か太閤 存命 三郎 起つ 合切 断滅 昇平ぞ来ん其は 皆 無常人の群 繰り返す 諍
組曲「鬼子母神」~鬼哭 – 陰陽座 吹き増さりし 風が 裸形を つと 包む開かぬ方の 眼には 逢えぬ 貌が 浮いて消える何故に 終わらぬ 唄よ此の 忌まふ 山に 謂う可き 事はない故恚みを 血の涙
組曲「鬼子母神」~紅涙 – 陰陽座 遅くなると 約した 男は 動もせば 抑 来やしない馬鹿な話さ 左様な 科白を 真に受けるから 泣きを見る待ち侘びて 諦めて 憂き世は あな憂 闇雲に 意志を 投
組曲「鬼子母神」~怨讐の果て – 陰陽座 山の碧が消える 空が鼠に染まる 水は何も 映しは しない紅を脱いだ柘榴 炎すらも白けて 戦慄く 吾が手は 黒く染まる帰る径を 探して もう 何も 還せはしない怨
組曲「鬼子母神」~径 – 陰陽座 皆に 祈り 託し 巫女は 定に 死せり 総て 村を 念うが為我ら 鬼の 番 御霊への 務めに 罷る 容受せよ汝らの 穢れを 総身に 背負いて 鬼謀の 蘇生を 告
組曲「鬼子母神」~鬼子母人 – 陰陽座 皆の 祈りが 御霊に 届き禍の芽は 萎びて 枯れる産土の 供物 思し召す 随に安らけし 和ぎに 伏して 礼べ崇めよ 此の 恩恵は 総ての ものぞ畏れよ 其の 穢
組曲「鬼子母神」~柘榴と呪縛 – 陰陽座 繋ぎ止めた 魂に 絡みついた 棘 深く燻べるは 怨念の 遣る瀬無い 犇もう 忘れて 平らに 只 暮れ泥む 届かぬ 声 絞りて暮れ惑う 夫なを 案ずる 樹海に挿す
組曲「鬼子母神」~月光 – 陰陽座 可惜短い 罪無き 生命病みに 奪われて他人の 稚児を 引き替うことで黄泉帰る なら生肝 抜いてやる お前逝くには 早すぎる けれど此の世に 余計な 未練の 無い
組曲「鬼子母神」~鬼拵ノ唄 – 陰陽座 ゆるがせも よくぼりも 鬼のしわざにすればええよそものの るにんなど 鬼に見えねば見せりゃええやまがみの おぼすまま 鬼が出たなら殺せばええいくとせと してきた
組曲「鬼子母神」~膾 – 陰陽座 人外なる 洞に響く 喘鳴 鈍き 戦慄憫笑 或いは 嗤笑 解せぬ 現況 下臈なる 下知松煙と 教唆に 噎せび 惘然と 窘み 固唾を呑む振り切れざるのは 動悸 皆目
組曲「鬼子母神」~産衣 – 陰陽座 外れに 攫みし 一縷の 望み沈くも 泛ぶは 涙すら 零す飯櫃な 刻よ 魂 呼ばいて贄す 産子 釁らる肝に香が 揺らめいて薫る 魄の 甦す 愛子よ最早 冥慮は 要
組曲「鬼子母神」~徨 – 陰陽座 何処かで 声が捻れる 誰かの 嘆きを告げる 風が 此処には 着かぬと恨みる 鎖は絶えぬ 聯なる 悲懐を訴う 風が 其処に 吹き交ふと矩は 何れなる 責めて 悔い
鳳翼天翔 – 陰陽座 朝に醒めた顰(ひそ)む征野(せいや)の白き乙女瑞(みず)の小佩(おひも)堅く結びて撓(たおり)に立つ浅葱褪めた澱む 遠夜(たいや)の藍に沈む失われし皹(かか)る
生きもの狂い – 陰陽座 様も無く 生き腐れ 両の眼は 曇らえど訳も無く 存えて 物の哀れを 訴わん恥も無く 憚りて 故郷の誉れは 尽きるとも懲りずまに 歩む我がに 一瞥たりと 望みはせ
吹けよ風、轟けよ雷 – 陰陽座 風波を裂き 徒で漕げ 標無き世に 於いて 立たば擽る丈の 太刀を捨て 阿修羅を纏いて 夜を 白で染め抜く(爽 烈 轟) 此の愁いを 鎖した随(爽 烈 轟) 其の
塗り壁 – 陰陽座 旅路を行くは一方(ひとかた)の畏(おそ)れを知らぬ剛(ごう)の者七分(しちぶ)過ぎたるその刹那(せつな)見る目適わぬ 巨大な壁が上を下へと取り乱し途方に暮れて立
紅き群闇 – 陰陽座 只 立ち尽くす 丈 彼は 産土(うぶすな)を 恤(めぐ)む人禍(まが) 遥か 遠く 連れ立ちたい 春の場(にわ)謀(はかり)を 捨てて 欺罔(きぼう)も 失せて
河童をどり – 陰陽座 なんちゃやない なんぼじもかんまない 唄いなはいやしゃって だまっち 見よるがやったらあぁ じゃらじゃらすなや はじまるぜ(皿(べい)!)心に秘めた 真の魄(た
夢虫 – 陰陽座 かげろふ 野辺(のべ)に揺蕩(たゆた)えど瞬(まじろ)く刹那(せつな)の恋を手繰(たぐ)り後世(のらせ)に渡す白糸(しらいと)は宿世(すくせ)を希(のぞ)みて翅
涅槃忍法帖 – 陰陽座 性(さが)なき 囀(さえず)る 雑魚(ざこ)にさえ情けの 名謁(なだめし) 何を成す贖(あが)ふ 足を 洗い 改(あらた)む塞(せ)かふ 聲(こえ)に (脱 抜