陰陽座

  • 覚悟 – 陰陽座

    鳳麟 念者 能わぬ 面矢鱈 吹かれりゃ 一遍で 消えて仕舞う降臨せぬは 周囲の 咎戯れた 寝言の 暇に遊敖 為なはい 遣れども 遣らねども 時間は 経る祈れども 其れは 疾く 前へ炳として 花もこそ 移ろえば時間は 一寸 待っては 呉れまいが 傲慢 運者 襤褸儲けの 種可惜 麓の 天辺で 消えて仕舞うそがいなが ええけん 我の 正念忽ちの 永久に優勝 有りゃせぬ 寄れども 寄らねども 遠離る怨めど…

  • 猪笹王 – 陰陽座

    口惜しき 不覚の 瑕で仮初の 貌 斯かる 化言を かむあれよ 火縄銃と 犬責めて 引き去れば 逆様に 破る 此れが 何ぞや 生残の 妙 (突 猛 進)獣や 人間が 夫夫に 具う仗を 苅って 奪って 仕舞う 御前の 銃で 寺門を 狙う粗陋 等 堰いて 呉れまいか私の 牙で 鳩尾を 捉う暇を 残して 呉れまいか 恨めしき 二つの 枷気怠気に 蹴出す 蓋し 獣の 契礼かなど 求めぬ伯母峰に 侍り 捨鉢に…

  • 龍葬 – 陰陽座

    裂ける 竜鱗は 此の 甚い 風に 舞う糜爛なりし 膚を 是連れに 隠して色を 作す 鬣 湿らせる 雲の 澪密かなる 雨風は 絶望を 穿く 魂聲よ 劈ける 甍は 眥の 端に 消ゆ睡り 飽いた 洞を 遺さぬが 贐身に 過ぎる 寛恕に 酬いるは 是が 非でも冥雲を 今 破る 有る 丈の 聲で 俄然と 参に 斉う 煇る 佳味の 渦思い 遣るな 真直に 見遣れよ 此の 一道 放てよ 我を 熾す 炎 かなえ …

  • 白峯 – 陰陽座

    秋ざれの 真尾坂に 吹き過ぎる 野風藪陰の 陵に 心思う 湿る 様な木下闇に 籠める 雲霧に苦い 荼毘の 果てに 眠る 君の憐れを 念い 塞ぐ 陽月の 白峯は 徒夢の 別れ濡鷺の 一輪は 影も 無し 厳し 御世に在らせられし 時代は 昔歳と深い 闇の 茨に 身を 委ね蔓の 巻くにさえ 払い 除く 手も 無く 浪の 景色は 変わらじを形無く 君は 成りにける濡つる 愚僧を呼ばう 聲 響く 振る舞おう…

  • 心悸 – 陰陽座

    時間が 萎れる 軈て 蹲る其れが 過ぎる 魔障としても胸に 訊くのは 弛みない 鼓動此れが 竦む 私の 糧 怖い 位 脈の打つに 任せてきた故僅かにでも 止まる 夢を見れば 動悸 動悸 する 身体に 充て 離らざれ私と 生まれた 血汐 (震蕩)心悸く 心臓に強く 高く 胸を 熱らせて 鯨波を 厭いて 雪も 黒くなる其れが 度ぎる 火傷としても裡に 響くは 類なき 壮志此れが 闇を 白に 染めて 恐…

  • 鳳凰の柩 – 陰陽座

    葬具を 打ち遣りて不要の 幕を 諫め返す霊気の 飽き満ちて皦かな 景星に 冒された 花よ 常陰にも 陽の 在るなら此の身を 碾かせても 綴じる 火生の 意想ぞ毀れた 欠片は 渦動の 瑕抱き 逢える 此の 際 丈は来世の 日へも 越えたい 痩躯の 銀張りて無用の 柩を 糾返す励起の 鳴き満ちて備うる 傾性に 突き上げる 腕よ 躯こそ 霊と 視るなら立たぬを 奮わせて 躙る 化生の 異相ぞ微咲む 朮は…

  • 滑瓢 – 陰陽座

    「我が 嚼みし上は 万事 良好 也」招かれざるに 何時の間にや 杯を 干す「我が名を 刻め 成る丈 大きく」紫煙を 吐き 多義に於いて 場が 烟る 由無しなと 怖じぬ 見たがり屋の 道化ぞ 滑り 訪う 実に 呆るは 其の 真似 (瓢)眩り 障う 抑 憂き名も 何食わぬ (瓢) 「何奴も 此奴も 我の 徒弟 也」聞かれざるに 異な 呼号を 吹き散らす「界隈で 我を 知らぬ者は 居らぬ」厭きの 窮 皆…

  • 赤舌 – 陰陽座

    因果律の 悩乱が 飛んだ 水の 行方を 探る八百万の 排斥が 澄んだ 水を 淦に 変えて (売買) 透ける 下垂りが(媒介) 軈て 真っ赤になる 殿の 楯備え 咎む 地虫が我の 丈を 抱え込む (淦)喋くりで 用を足す 洒落た 御仁らが他人の 背中を 楯に いきる 献花台の 垂涎が 賤陋なる 其の 品を 暴く醒め遣らずの 功勲が 罷んだ 病みを 笠に着て ほざく (売買) 愛しき 此の 郷が(媒介…

  • 両面宿儺 – 陰陽座

    粉骨を 尽くしても 過ぎたる 徳は 存外身命を 賭するは 却りて 乱逆の 脅威 限外 左手に 見ゆ 鉾先は 難儀の 方 示し右手に 在る 錫杖で 障りを 祓う 猗 勲は 穢し 雨に 打たれて頓ては 根組の 倦ずに 巻かれ哀傷は 次う 影に 紛れて冤鬼の 嘆きを 掻き 消す 砕身を 奉れども 下卑たる 目には 有罪敵愾に 醜名は 歪む 大犯たる 行為 堕罪 左手 握る 彼の 斧は 毒牙の 禍 割りて…

  • 静心なく花の散るらむ – 陰陽座

    丑 三つには 草木も 眠ると 謂うが実にも 然り 繰り返す 太刀音の全然 聞こえぬ 花軸に 感じは 無し 根は 端に 抜いた闇を 合わせて 光と 成す 此の 卍は 終の道時雨 無い 神鳴りが 討たれて 仕舞う 迄あな 馮河と 唯 嗤え思い出づ 名を 賭して 月夜に 花は 舞う 暁には 七つに 刻むと 謂うが未だ 二つぞ 吐き返す 液の 澱花気に 噎せぶは 花柱に 流れ 落ちる 距の 黒い 蜜が花柄…

Back to top button