関取花

  • ナナ – 関取花

    ねえナナ 覚えてる? 私たちがまだ風の中で揺れる野花だった頃 ねえナナ 覚えてる? 世界中がまだ泥んこ手のひらの中にあった頃 なんだかもうずいぶんと遠くまで来ちゃったよ 本当のことなんか 何ひとつ知らなかった空を眺めていた 名前も知らない木の下で ねえナナ 覚えてる? 私たちにまだわたあめみたいな羽があった頃 ねえナナ 覚えてる? 世界中にまだ虹色のヴェールがかかっていた頃 あれからもうずいぶんと…

  • すきのうた – 関取花

    わたしは青がすき ぼくは赤がすきどっちも綺麗だね まぜたなら紫ぼくのバレエシューズ わたしのグローブどっちもかっこいいね 大切なものだね まだまだある まだまだ出会うそのときめき 抱きしめてね すきなものを拾い集めよう着てみたいもの やってみたいことなんでこれがすきなんだろうたとえ わけなんてわからなくても わたしはきみがすき ぼくはあいつがすきどっちも本物で でもまざらないものだねぼくのかけた言…

  • メモリーちゃん – 関取花

    いつか色褪せちゃうファンタジー少しずつ消えるメモリーそれでもいいと思えたよ 見慣れた街並みも 空の青さもとても綺麗だった 君となら じゃれあった毎日の くだらない出来事もひとつ残らず全部覚えてる目が合った瞬間の 何気ない愛しさも昨日のことみたいに思い出す いつか口ずさんでたメロディー思わず重ねたハーモニーへたくそすぎて笑ったね やけに冷える夜も 雨の匂いもなぜか悪くなかった 君となら 寂しさの正体…

  • 季節のように – 関取花

    季節のように生きる人でありたい流れゆく時間にこの身をゆだねて去りゆく雲は追わず ただ風を待ち変わりゆく景色を愛し続けたい 花のように強く優しく いつの日も凛と咲き海のように揺れて輝く 光をそっと目に宿し 季節のように生きる人でありたい気まぐれな心に耳をすまして色とりどりの今を ただ感じて変わりゆく私を愛し続けたい ラララ… 燃えるように赤く色づく 情熱を忘れずに雪のように静かに積もる …

  • モグモグしたい – 関取花

    アイス チョコレート シュークリームキャラメル クレープ ケーキ マカロン お腹いっぱい 食べたいんですだって今夜は涙がしょっぱいから 人生甘くないからね これくらいは許してねほっぺ落ちるしずくを せきとめるためモグモグ どら焼き くず餅 いちご大福あんこ 黒蜜 ぎゅうひがびよよーん 眠くなるまで 食べたいんですそのまま寝れば幸せな夢見れるから 人生甘くないからね これくらいは許してね下がったお口…

  • 風よ伝えて – 関取花

    出せない手紙を握りしめたままでチクタクと過ぎた 月日はどれくらい ひとつふたつと歳をとり変わっていった街並みそれでも今年もあの花は咲く やあ やあ 聞こえるかい?元気でやってるかい?返事はなくていい 風よ伝えて 下手くそな笑顔と淡い夢を乗せガタゴトと揺れた 列車はいまどこに ひとつふたつどころじゃない涙も流したでしょうそれでもあなたはきっとこう言う やあ やあ 聞こえるよ元気でやってるよ心配いらな…

  • スポットライト – 関取花

    何も持たないで いつかたどり着いたあの日見た夢が 忘れられなくて 友よ父よ母よ どうか見守ってあなたの自慢にきっとなるから ああ ここで生きて行く ここに生きている私が輝ける場所を やっと見つけた 旅を続けながら やがて時は過ぎたあの日見た夢は 今も変わらない 幼い瞳たちよ どうか見てておくれあなたの希望になりたいから ああ ここで生きて行く ここに生きている私よ輝け 誰かの明日を照らせ ああ こ…

  • ミッドナイトワルツ – 関取花

    真夜中のドア叩く ひゅうひゅう隙間風蝋燭の火は揺れる ゆらゆら彷徨って 見つめているうちに 闇に溶けてゆくさあ夢の中へ 私を連れてって 歌い出した春の鳥 恋に落ちてくミツバチ一面の菜の花に 吸い込まれてゆく 緑色の山々に 見えた赤い屋根の家追いかけたなら消えて あなたはいない 真っ暗な天井に ぽつぽつ雨の音壁を這う黒い蜘蛛の すーっと細い糸 手を貸しておくれ 近くにきておくれほら夢の中へ 私も連れ…

  • 道の上の兄弟 – 関取花

    道の先に何がある 未知の世界見に行こう満ち足りた世界から 道草してはみだそう 斜めった坂ぐんぐん上って行こうぜまんまるい膝何度もすりむいて なあ兄弟 どこまでも行こうぜ西へ東へ 地図なんて塗りつぶしてなあ兄弟 二人肩並べてあの山のてっぺん目指そうぜ ミキリハッシャでいいじゃない 間違ってもいいじゃない俺とお前がいれば 笑い話になるだろう かさぶたのない人生なんてつまんねえでこぼこのない毎日に興味は…

  • やさしい予感 – 関取花

    いつの日も朝は気まぐれな旅人東の窓からふらっと現れて 夢うつつな僕の部屋と今日を染めるレモン色の光に照らされて 憂鬱が溶けてゆく やさしい予感に誘われてあの子のとこまで行けるかな 青い青い空はどこまでも続き何も言わず白い雲は浮かぶ ただそれだけ ただそれだけの景色に花は揺れる 心ははためく 固結びほどけてく やわらかい風に飛び乗ってこのままどこまで行けるかな やさしい予感に誘われてあの子のとこまで…

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