鈴木京香

海岸線より – 鈴木京香

私 今も覚えてる
波打ち際 嘘つきの空
風に 髪を抑えながら 見上げた

手を伸ばせば 届くかも
白く伸びる 飛行機雲
何処へゆくの
さよならの予感の 軌跡 描いて

『空から見たら ちっぽけな私 海の砂よね』

忘れないでいてくれる?
そう、決して会えなくても

同じように わらえるわ
だけど きっと 愛さない

窓に額つけながら
息をとめて 見つめている
海岸線 はしゃぐ あの頃の二人の姿

『水音さえリズム 言葉は歌よ 歌になるの』
ラ ラ…

忘れないでいてくれる?
そう、決して会えなくても

あなた何も変わらない
だけど きっと 愛さない

『まぶたが熱い ぽつり? まつげの甘露だなんて』
ン ン…

忘れないでいてくれる?
そう、決して会えなくても

本当の意味が 足さき しみてきて
怖くなる

私は離れてゆくの
遠くへの旅のふりで

私は離れてゆくの
遠くへの旅のふりをして

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