鈴木京香

  • 海岸線より – 鈴木京香

    私 今も覚えてる波打ち際 嘘つきの空風に 髪を抑えながら 見上げた 手を伸ばせば 届くかも白く伸びる 飛行機雲何処へゆくのさよならの予感の 軌跡 描いて 『空から見たら ちっぽけな私 海の砂よね』 忘れないでいてくれる?そう、決して会えなくても 同じように わらえるわだけど きっと 愛さない 窓に額つけながら息をとめて 見つめている海岸線 はしゃぐ あの頃の二人の姿 『水音さえリズム 言葉は歌よ …

  • 水星 – 鈴木京香

    ビルのシルエット目覚めた空のグラデーションゼンマイ仕掛けのドラゴンの雲息 吸い込んだ空気冷たくてふたりの夢 白く浮かんだ雪の兎の hopping hopping手袋したまま 握る手のひら呼吸止めずに 絵画館背に助走距離は十分? でしょ? Tokyoの頭上にもほら張り巡らされたネット細い銀のかぎ針が進むママの編むレースみたいに糸 頼りなげにつながって悪夢から守ってくれるのまるでドリームキャッチャー拡…

  • わたしの左岸 – 鈴木京香

    あなたの瞳にわたしが映って降りはじめたpetalsふわり 水面重なる橋からの眺めため息 石畳細いヒールの傷気にする振りをしたけど 静かに漂うオフィーリア真似て心抱えたまま流れに飲まれてしまいたい のぼるあぶく達を息をつめて見てる胸に張り付いたまま切ないこの 桜色の 振り返りながらゆっくり歩いてなぜか触れるの 手と手風に枝が揺れるように嘘つきのいない細い道へ入ろう?ためらいを逃れていい香り アムリタ…

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