谷山浩子

夢のスープ – 谷山浩子

階段の一番上に あかりがついたよ
近づいてよく見てごらん そばで見てごらん
でも 近づけばそこにない 後ろにある
でも 振り向けば後ろにない 左にある

階段の途中のどこか あかりがついたよ
近づいてよく見てごらん そばで見てごらん
目をこらして見つめるほど ぼやけていく
視界の外へ逃げていく 気配が消える

おりて行こう 螺旋階段
下へ下へと どこまでも
おりて行こう まわりながら
夢の底へと続く道

ひとつの扉をあけたら 百・千・万の
億・兆・京・那由多・阿僧祇の扉があいた
ひとつの扉を閉じたら 百・千・万の
億・兆・京・那由多・阿僧祇の扉が閉じた

ひとつ確かなことがある 確かにひとつ
それは確かにひとつある ひとつ確かに
ふたつの次はここのつで 次はななつ
真夏のツノはココナツの 常夏のツノ

おりて行こう 螺旋階段
夢が醒めれば また夢だ
おりて行こう まわりながら
底が抜けたら その下へ

階段の一番下に あかりがついたよ
階段の一番下なんて ほんとはないんだよ
僕は無限を抱いている 眠りの奥
夢のスープを泳いでいく ねじれていく

おりて行こう 螺旋階段
おりればゆるり 溶けていく
おりて行こう まわりながら
溶けて崩れて いなくなる

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