見田村千晴

独白 – 見田村千晴

疑わず 逆らわず 扱いやすい子供でした
恐らく普通より過保護に育ったのは
末っ子だから仕方がないと思うようにしていました

常に他人の目に怯えていました
大人たちの顔色を窺うのが上手になって
気が利くわねぇと褒められてはバカ正直に喜んでいました

学校の同級生を見下していました
こんなところで本当の友達はできないなどと
雑誌の友達募集に投稿したなんて黒歴史もあります

それでいていつも 社交的で明るい子に媚びていました
相手にとって自分が今何番目なのか どうしたら一番になれるのか
そればかりを気にして カメレオンみたいに生きていました

あぁ ありったけの勇気で 私はここに立ってるんだ
あぁ ありったけの覚悟で 私は明日を生きるんだ
あぁ 見過ごせない危うさを いつも持ってるんだ
それを忘れないでいることが たったひとつの答えだ

18で上京してから一度も ホームシックにかかったことはありません
むしろ初めて深呼吸ができたような感じ
思えば自分の冷たさを自覚したのはこの頃かもしれません

相変わらず人との距離感を間違え続ける日々
こんな自分の どうしてそばにいるのか
求められることにすら怖くなって
拒絶したり閉じこもるようになっていました

「心を開こう」?
「自分を信じよう」?
「あなたらしくね」?
「ひとりじゃないから」?
曖昧な言葉じゃ分からない 分からない

20になった次の日 バイト代で35万のギターを買いました
弾けもしないまま 曲も作れないまま
ステージに立っていました 見えない何かに復讐していました

何と言われようと 歌うことは私自身の証明だ
自分では何も決められなかった私の
一番最初の意志で 一番最後の意地だ

あぁ ありったけの勇気で 私はここに立ってるんだ
あぁ ありったけの覚悟で 私は明日を生きるんだ
あぁ 見過ごせない危うさを いつも持ってるんだ
それを忘れないでいることが たったひとつの答えだ

あぁ ありったけの勇気で 私はここに立ってるんだ
あぁ ありったけの覚悟で 私は明日を生きるんだ
世界なんて変えられなくていい 自分を変えてきたんだ
世界なんて変えられなくていい 「あなた」を守りたいんだ

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