見田村千晴

  • 金木犀の香りがわからない – 見田村千晴

    きれいな字だねって君は言ったねその日からずっと君の名残の中だ 机の上じゃなんとでも頭の中じゃいくらでも着飾れるのにな 金木犀の香りがわからないなんとなく分かったように話を合わせてきたけれど本当はどんな香りかわからないまままた 秋が終わる どこにいるのって君は言ったね最初からきっと君は気付いてたんだ 勇気があればあのときも心開けばもうちょっと強くなれたかな 金木犀の香りがわからないなんとなく分かった…

  • 私の悲しみ – 見田村千晴

    「分別なんてつかないうちに行けるとこまで行っちゃってさ」無邪気さを盾にしたその罪をいずれ知る 群れてばっかでどうすんの安心するのは怖いでしょう?どこかで落とした一粒は二度と戻って来ないんだ 終わってみればあっけなく想像とはずいぶん違ってた引き換えに手放したもの今夜はやけに綺麗だ 私の悲しみは私だけのもの理解なんてさせない どうか慰めないで私の怒りは私だけのもの独り占めしていたい そして味わい尽くし…

  • 15歳の。 – 見田村千晴

    簡単な言葉のほうがいざってとき言い出せないのはどうしてだろう? Oh なんだってできるけどOh なんにもできないよなぁOh 大人になりたいのかもOh 分からないまま季節は変わる いろんなものが無くなった何度も諦めた残ったのは 変わらない気持ち 簡単な言葉のほうがいざってとき言い出せないのはどうしてだろう?大切と分かっていてもいつも少し間に合わなくて 悔しいんだ あぁ Oh 何気ない一言がOh 助け…

  • タダモノ – 見田村千晴

    変わってしまった日々は思っていたより脆かった命より大切なんだと思っていたものはなくなっても私はこうして息をしてる ほっとしてるなんて変なの優しくも賢くも強くもない タダモノ 名前を知ることもなく通り過ぎる日々に消えたい醒めても いつまでも離れない夢もう甘い味はしないのにもう光って見えやしないのにもう痛くて触れないのに ぶら下げたまま 人間ってあっという間に怖いくらいに慣れてゆく閉じたまんまの部屋で…

  • 記す – 見田村千晴

    今年こそは、って毎年言ってる本当に今年こそは、って意気込んだ2020地に足付けて 時にズル賢くやれる気がしてた まだ何も知らなかった偉い人の一声で日常は変わる相対的な“正しさ”は毎秒ごとに入れ替わるならば信じたってしょうがないのになにか信じたくてしょうがなかった 真っ白になるスケジュール 街はもれなく一時停止平気な顔の奥で私ほっとしていた背中に突きつけられたナイフにずっと急き立てられていたことを知…

  • Judgement – 見田村千晴

    始まれば終わるもの捨てちゃえばさようなら好きか嫌いかどっちだアリかナシかでちょうだいよじわり暮れてく空もそうだ 美しいだろう裁けるのか 自分を許せるのか いつか 例えば明日がもう来ないとして最後に食べたいのは何ですかってどうだっていい そんなの意味なんてないから帰りたい帰りたい帰りたい 先延ばしはしないで 白黒つけようよどうしてみんなもそうしないのって怒ってた ひとりで怒っていたけれど苦しい どう…

  • 手のひらのラブソング – 見田村千晴

    ねぇ 今 何を見てねぇ 何を 想ってる?手と手を繋いだらそれだけで… くしゃみをするだけで「ただいま」と言うだけで右頬にだけできるえくぼごと 浮かべてる 愛は ここにある 欲しいものならたくさんあって君以外何も、とは言えない僕だでも君がいない世界ならば他に何も要らないよ手のひらのラブソング 星空 仰いでもまだまだ 眠くない2人のこれからを夜明けまで 話そうか 愛は ここにある 別々の道…

  • ex.friend – 見田村千晴

    とっさに呼ぼうとしてあなたをどう呼んでいたのかさえ思い出せないんだと気付きましたそれくらいの時間が流れたことどこかほっとしてる私がいます久しぶりに会ったあなたはやけに饒舌で戸惑いました私はそれを悟られないように 頻繁にグラスに口をつけてそれでも全然酔えなくて終電を待っていました あのノートの切れ端をその後どうしたんだっけまるで将来を誓い合うみたいに思い込みの激しい年頃だったと幼さを笑い合えたら良か…

  • ユーモアが足りない – 見田村千晴

    何の虚勢か知らないが眉間のシワが癖になり写真も全部同じ 同じ顔だよ 軽口叩いたつもりが頬でも叩かれたみたいに泣き出すなんて到底 想定外で なんだか息苦しいのです笑った顔が見たいのですあぁ、あぁ、 ユーモアが足りない 足りない余裕が足りない 足りない今すぐ窓を開けて深呼吸だ!絡まるいろんな問題をゆっくりほぐしていきましょう冗談も交えて 全方向へ配慮の末優しいあの子潰れちゃって今も孤独な 孤独なまんま…

  • Woman – 見田村千晴

    今日が昨日に変わる頃 女はようやく帰り着く集合ポストにはどうせ ご利用明細とピザ屋のチラシそれだけ ヒールがやけに響くから 女は抜き足差し足で滑稽な姿だけれど いつの間にやら慣れてしまったダサいな 会社のトイレばっか磨いて 家のトイレ汚れてく日々ですどこまでやれるんだろう 考えては寝落ちして 朝が来るたびにもしかして 期待して 目を開けて無駄になったっていいじゃないか何度だって始まれまた不器用につ…

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