西崎緑

流星 – 西崎緑

淋しい恋をするひとは
頬にえくぼが ぽつり光るひと
遠くはなれた旅路の空は
想いの数だけまたたく星影
この身焦がれます
またひとつ燃えて落ちる
恋の流れ星

波音はるか聞きながら
枕涙で ぬらすひとり旅
季節めぐって花は咲けども
あなたの面影追いかけるたびに
何故に遠ざかる
淋しさに凍えそうな
恋の北斗星

二度と逢えない運命(さだめ)であれば
わずかな想い出 夜空にちりばめ
星になりたいの
またひとつ燃えて落ちる
恋の流れ星

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花咲き染めし – 西崎緑

一期一会と 云うけれど焦がれる事は 罪ですか思いの丈を 出来るなら満たして欲しい ひと夜でも花咲き染めし 陽は西に花咲き染めし 燃え盛る恋は泡沫(うたかた) 祭

如月 – 西崎緑

ビルの谷間に 昇る月見れば夜毎(よごと)に やせていくひと冬越しても 実らないまるで私の 恋のようあなた あなた 抱きしめて女の一番 綺麗な季節(とき)をあなた

春知らず – 西崎緑

じれったい… 待つだけ待たしてこれを未練と 呼ぶのでしょうかあなたを浮かべて まぶたを閉じれば心は涙の 海になる夢をあんなに ふりまいて置いてきぼりに するなん

笹船 – 西崎緑

思い出の流れる 川があるあなたは笹舟に 乗ってった私も連れてって どんなことでも辛抱するからと そう言ったのに橋の上 たそがれ 唇があなたの 口づけを恋しがる私

さざなみ – 西崎緑

誰だか馬鹿に気にしてる私の書いた ラクガキを誰だか変に傷ついた 私の愛にしらけた季節の匂いがするわ何故ってことでも ないのだけれど私っていたずらなのね 私って子

冬は悲しい夢を – 西崎緑

雪降る町 雪積む町旅人が似合う北の駅は誰もみな無口になり顔をうつむけ何か占うこの私も 手を重ねて乗りかえの汽車を待っていたわ無茶はいけないよと声をかけられそっと

花散る頃に – 西崎緑

花がほろほろ 散ってます今日も来ました この小道思い出します 別れたあの時一年たったけど 私は待ってますきっときっとあなたと 逢えるその日を雨がさらさら 降って

いつの日もいつの日も – 西崎緑

季節のかわるたびにためいきを ひとつおとしなにげない 景色のなかでなにげなく 歩いてきました想い出に 待ちぶせされ哀しみを ひとつおとし大人への孤独の中でひとり

小指のきず – 西崎緑

小指からめ指きり約束をしたけれど知らない間にあなたはいない話し相手もない胸に想い出はひとつ夕陽が沈む夕陽が沈むこの指を赤く染めるのいつも二人並んで眺めた海が泣く

小雨のルンバ – 西崎緑

汚れたんじゃないわ 愛感じたから流した涙の分だけ 喜びを知ったの白くけむった 街の夕暮れ二人の別れ 告げてゆく小雨がたたくルンバいいのよ思い出になるからはじめて

銀河平野 – 西崎緑

星がひとつ 海を渡る北の夜空 何処へ行く胸にしみる あれは海鳴りか走る夜汽車 あのひとはもういないなみだこらえて ひとり町をいくつも 過ぎてきたつらい別れにゆら

さみしさにほろ酔い – 西崎緑

ナツメロをききながらカン入りの お酒のんでさみしさに ほろ酔い気分です僕のこころの絵のなかで季節は かわりませんなくしたものは いつも恋しくて君は昔のまま 笑顔

おもかげ – 西崎緑

私の長い 黒髪をみつめて 好きといいましたあなたは会えない 遠い人少し気むづかしげにまゆを寄せるくせのそんなあなたの 指先が今もうなじに 残ります私の胸に つき

あなたたずねて – 西崎緑

あの人に逢いたくてただひとり旅に出た行方を知らない人ならばどこに行けばいいのあなたがいつか話してくれた岬の町たずねてきたが海鳥の声がするだけで今日も今日もむだだ

はまなすの旅 – 西崎緑

あの砂浜にはまなすの花は咲いているでしょうか……好きな人の 住む町それは 海辺の町紅いはまなす 咲いていた悲しい わかれの時いつまでも 私を待つと誓ったあなた…

桜草 – 西崎緑

人目にふれもせず 咲く花は誰に思いを 告げるやらあきらめました あなたの事は追えば不幸に なるばかり桜草 濡れて桜草ひそやかに ただ咲き誇る桜草 ゆれて桜草雨に

問わず語り – 西崎緑

どこへ帰るの 何を急ぐの幸せそうな人の波こんな日暮れは 淋しいと思い出ばかり なぞってるもしも もしもあの頃に戻れる汽車が あったなら問わず語りに あなたを浮か

哀シテル – 西崎緑

運命だと思った心まで抱かれたあなたとならば 何もかも捨てるつもりだったひとを愛することはどうして哀しいきっと一番はかなくて綺麗な想いだから愛してる は 哀シテル

偽名 – 西崎緑

あなたに逢うためあのひとに嘘をつく愛しか見えない女は嘘つきなの違う名前で つかの間違う女に なりたいその胸に 抱かれる時はあなただけのものあなたのそばではさみし

やさしい夜に – 西崎緑

今夜わたしが あなたをふってあげるしあわせにはお互い 縁がないのよ泣かせたなんて あやまらないで笑い話にしてから 別れましょうよだから今日は飲ませて もう少しそ

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