西島三重子

  • 池上線 – 西島三重子

    古い電車のドアのそば二人は黙って立っていた話す言葉をさがしながらすきま風に震えていくつ駅を過ぎたのか忘れてあなたに聞いたのにじっと私を見つめながらごめんねなんて言ったわ 泣いてはダメだと 胸にきかせて白いハンカチを 握りしめたの池上線が走る町にあなたは二度と来ないのね池上線に揺られながら今日も帰る私なの 終電時刻を確かめてあなたは私と駅を出た角のフルーツショップだけが灯りともす夜更けに商店街を通り…

  • Lonely Girl – 西島三重子

    とても弱い女さ やさしさにはすぐまいる一度心をあずけたら 疑うことも知らない たとえ裏切られても 恨んだりはしないからそんなあの娘のやさしさに 男たちは甘える ああだから Lonely Lonely Girlいつでも心はひとりぼっちああだけど Lonely Lonely Girl別れ方も知らない 彼の皮肉を聞いて とまどっては笑うだけ言葉の棘が痛いけど 精一杯のつもりさ 愛はさめてしまうと 子供の…

  • あきらめてサンバ – 西島三重子

    いいのさ いいのさ明りつけずに 私を抱いてもいいのさ いいのさ誰かの身がわりも いいさぐずぐず恨めば 自分がつらいあきらめてサンバあきらめてサンバ 馬鹿にされたような 気持ちで恋はいつも終わるしゃくにさわるような 言葉で男は去っていく いいのさ いいのさポーズひとつで 男がたつならいいのさ いいのさあいつもいい男なのさがらがらくずれる 心の音はあきらめてサンバあきらめてサンバ 駆けてゆけば ドアが…

  • Bye-Bye – 西島三重子

    Bye-Bye Bye-Bye 私の夢Bye-Bye Bye-Bye いとしい人 哀しいから何も言わず 出て行くわあんたのこと 今でもまだ好きだけど明日からは生まれ変わるつもりなのつらい恋は もうやめにしたわ あんたとなら どんなことでも乗り越えられると思ったけどみんな私のひとりよがりね恋も夢もつかみきれない Bye-Bye Bye-Bye 私の夢Bye-Bye Bye-Bye いとしい人 久しぶ…

  • 愛に流されて – 西島三重子

    涼しい風のようなきみに愛を見たのは いつからでしょうかあの頃手にしたときめきは今でも心にゆれている 電車のドアのそばに立って人目しのんで指先からめてもうすぐ きみだけ降りて行く悲しみ駅まで しのび逢い きみが好きさ 目を閉じれば都会の夏は 海に変わる 愛に流されて 愛に流されて今日も流されて ふたりは愛に流されて 愛に流されてどこまで行くのですか ホームにひとり きみを残し今日も別れのステージのよ…

  • 面影通り – 西島三重子

    面影通りにネオンがつけばあなたのことを想い出す丸い眼鏡のやさしさが忘れられなくなる頃に姿を消した足音よ 一杯飲めば ほろ甘く一杯飲めば ほろ苦くそうさシネマの裏だよ面影通り 面影通りにネオンがつけばあの日の夢が影をひく今日はふられて来たんだとひどく酔ってた あの夜は銀河の星も もらい泣き ギターの音は ほろ甘くとぎれる声は ほろ苦くいつもふたりで唄ったテネシー・ワルツ 一杯飲めば ほろ甘く一杯飲め…

  • Imagination Canvas – 西島三重子

    夕焼けの空は Imagination Canvasなつかしいあなたの横顔のクロッキー想い出は美しいほうがいいから少しきれいに描いてあげる 風月堂が秋にはなくなるんだよふんふんふーん ふんふんふーんモデルはしゃべるなっていつもおこられたけど話しかけるのはそういうあなた あなたの描いた私の絵はちっともやせてなかったけど私はあの頃モディリアニが好きになった 夕焼けの空を肩よせてながめた恋人の習慣それだけ…

  • 天体望遠鏡 – 西島三重子

    天体望遠鏡で はじめて星をみたわ時のたつのも忘れあなたの目を盗んであんまり知りすぎないほうがいいとあなたは言うけどはじめてのぞいた気がした あなたの世界を Space Odyssey私をおいていつもいつもSpace Odysseyひとりで旅をしてたのね木星を金星を 天王星までもつれて行けないのなら 勝手に遊泳する無重力の世界を ななめに落ちてゆくわ 天文学的数字 それほど愛しているとケムにまかれて…

  • 少年の風 – 西島三重子

    昔はずいぶん話したねどこにいこうかと地図なんか広げJasmine-tea さえ冷めてしまう二人してもの静か 電話もならない日曜日はどことなくあなた淋し気な風情少年の羽を広げたくてぼんやりと空を見て 穴をあけた新聞顔にあててみればなるほどねあなたの瞳にいたずらな少年の風たち しばりつけたのはどちらひとめぼれなんかして 男の勝手は昔からよ用事もないのに女を残して七つの海からお呼びですと偉そうに船出する…

  • ドゴール・パーク – 西島三重子

    Je t’aime 少しだけよ今は急に愛せないのこの手をはなしてきっと行くわ 明日の午後 Je t’aime 忘れたいの胸に残る恋の傷を幼い少女の清らかさで 抱かれたいの 白い白い雪にころびながらかけて行く熱く熱くあたためてドゴール・パークのベンチで Je t’aime 凍えそうよ指にかけて白い息をやさしい人ねとささやかせて その耳もと 遠い遠い鐘を二人だけで聞…

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