藤祐介

石狩川 – 藤祐介

春まだ浅い 石狩川の
岸にゆれてる ネコヤナギ
残雪ふんで ゆく旅人に
なぐさめ見せる野辺の花

母なる川に 燈籠流し
夏の夜空に 流れ星
あてなき明日をさすらう身には
ハマナスさえも 目にいたい

夕日に染まる くれない色は
つかのま 燃える 恋の色
盃あげりゃ 忘れたはずの
おもかげ浮かぶひともいる

雪の砂丘か 石狩平野
流れも 時も たちどまる
窓うつ風は 心の傷も
昨日も今日も 消してゆく

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