藍坊主

魚の骨 – 藍坊主

本を読んでも胸に 何もこない毎日を
繰り返すたび僕は ゆっくり消えてるのかも
新鮮さ 失い 乾いた目玉のようだ
でも悪い気がしないのは 君がいるから

浮かれた街を歩き 背骨に寒気を感じ
ドラッグストアで酒を買い 夜を徘徊する
異常な日々かな ダメな大人でしょうか
それでも君は僕を引っ張り続ける

夜を泳いで 魚を捕まえる 冷えた空気と 一緒に吸い込む

喉に刺さった魚の骨 それも気づけば僕の日常
大きかった違和感もいつしか 小さな石ころに変わる
幼かった君も気づけば 僕より大人になってしまった
それなのに子供のまま

ささやかな幸せ 噛みしめるように
君が走る姿を眺め 僕は缶コーヒーを飲む
銀杏が綺麗で 本が頭に入らない
でもなんでこんなに 暖かくなるのだろう

神様は見てるよ 見てなくても知ってるよ
君や僕がどれだけ 頑張ってきたかってことを
神様がいなくても 見捨てられてたとしても
西日のスーパーの脇で 僕ら静かに暮れてく

夜を泳いで 魚を捕まえる 冷えた空気と 一緒に吸い込む

喉に刺さった魚の骨 氷のように溶けて消える
白くなって蒸発した それは僕らが生きてる証
幼かった君も気づけば 僕より年寄りになってしまった
お別れはまだまだ、だよ

たくあんをかじる そして緑茶をすする
君はドッグフードを 明日もかじっていてほしい

夜を泳いで サカナを捕まえる 捕まえにゆこう 捕まえにゆこう

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