藍坊主

アンドロメダ – 藍坊主

肉眼で見えるんだって 銀河は
望遠鏡がなくても 見えるんだって
天の川じゃないよ アンドロメダの銀河は
渦が見えるらしいんだよ 詳しげに僕は熱弁したっけ

君の気を引きたくて 夜に会いたくて
興味もない星の知識かじった

<<これは僕らが星になるためのストーリー>>

目論見通り 食いついた君 愛おしそうに空をよく 眺めてたから

あなたを見てたよ 夏の線路ぎわ
アンドロメダは 稲穂の匂いの中
銀河は小指の爪よりも 小さくて地味だったって
君は笑ってたんだ

豆粒みたいだった 銀河は
渦巻きなんて見えやしなくって
死んだら星になるって
昔の人は なんというかまあロマンチックだよね とか
いらないことばっか喋っていた

君が泣くまで 気づけなかった 君が最近 空見てた理由
「星になったらまた会えるよね」って
空の先にいる誰かに やっと気づけた

あなたを見てたよ 夏の線路ぎわ
アンドロメダは 稲穂の風に消えた
銀河は小指の爪よりも 小さくて地味だけどって
君の涙が揺れて

空を何度も見てしまうよ あなたが会いたい人はどこ
星座のことも読み漁って 宇宙への興味にのまれて

そしたら見つけた科学の話 僕らはいつか本当に星に変わるみたいだ
僕らの肉体が土に戻ったあと 未来で地球が終わり 砕け
また宇宙へ散らばれば
たくさんの星を もう一度創り出す 命になれるんだって

あなたを見てたよ 夏の線路ぎわ
アンドロメダは 稲穂の匂いの中
あなたと あなたを愛する人が いつか星になれたら
同じ星になれたら

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