荘野ジュリ

うたかた – 荘野ジュリ

君を 見つめたい目が
君に 触れたい 指が

行き場も無く 体を 彷徨う

傍に 居て欲しかった
嘘でも 構わなかった

どんな 望みも この世界から
消えたんだ

もがいても あがいても
戻らない君の 横顔

降り注ぐ 悲しみで
びしょ濡れの 心を抱えて
途方に暮れてる
帰る場所なんて 無かった

まばたきさえも 恐かった
君が いなくなりそうで

安らぎ という言葉が裏切る

失うことで気付く
大切さがあるという
失うのなら そんな大切さは
知らなくていい

繋がれた 現実に
サヨナラを言えず もつれた

とめどなく 頬つたう
この水に 溺れてしまうよ
泳いでいけない
こんな残酷な日々を

鳴いて 鳴き疲れて
息絶える 蝉のよう
でも僕は 飛べない
しがみつく 腕も無い
そうただの 抜け殻

うたかたの 幸せは
僕の 手のひら をすり抜け

降り注ぐ 孤独さえ
馴染んでく 心を 憎んで
色褪せてしまう
脆い想い出を 嘆いた

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