草野華余子

それでも、まだ – 草野華余子

何も救えない音楽の中に
ぽつりぽつりと血潮を流し込む
この一滴が誰かに伝ったら
それがわたしの生きる意味になる

涙の数だけ強くはなれないし
頑張った分だけ報われることもない
もう夢見る少女じゃいられないけど
時には起こしてみたい、ムーヴメント

大丈夫じゃないけれど 大丈夫って呟いた
握り潰した憧れは 容赦なく掌に刺さる

それでも、まだ まだまだ 夢の続き 知りたい
それでも、まだ まだまだ ひとつも諦めない
それでも、まだ まだまだ メロディは鳴り止まないよ
そう簡単には めげないわたしで居たい

息も出来ない人波の中で
ひとりぼっちを より強く噛み締める
この寂しさを誰かと歌えたら
孤独もいつしか宝物になる

優しさのせいで傷付けて 傷付けたことで傷付いて
叶えられなかった約束は 喉に引っ掛かったままで

それでも、まだ まだまだ 歌いながら旅の途中
そう簡単には消えない あの日のメロディ

カセットをデッキに入れるように
歌詞カードを指でめくるように
煌めきが今 溢れ出して
君の元 羽ばたいてゆく

それでも、まだ
この胸焦がす あの“あいのうた”
いつだって強く めげないわたしの歌

聴き飽きたラヴソングを もう一度 再生しようよ
歩き慣れたこの日々を もう一度 愛してみようよ
夢から醒めてもまだ メロディは鳴り止まないよ
繋ぎ慣れた君の手を 強く強く握り返すよ

ここからまた、まだまだ
何処まででも、まだまだ

響く あの日のメロディ

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