草野華余子
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最終電車は泣いている – 草野華余子
ガタンゴトン溜め息も飲み込んでくれよ今夜ぐらい良いだろう?ガタンゴトン自分だけがこんなに苦しいと錯覚しそうだよ この感情に名前を付けた途端にありふれたものになりそうで怖いんだ良いと悪いを見間違えるぐらいには窓ガラスが曇っているから泣いても分からないかな 何の足しにもならない優しさ頑張れって無責任な言葉傷付くだけ無駄なことは もう分かってるそれでも ふとした誰かの何気ない冗談で笑うようなささやかなこ…
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悲しくて lulululu -Original ver.- – 草野華余子
悲しくて 悲しくて lulululuどうして貴方の一番になれないの?好きになんてならなければよかったただ ひとこと 言って欲しかったココロはどこにゆくの?鳴いている わたしは 迷子の仔猫夢の中でかまわないから 抱きしめて 最初からね 傷つくことわかっていたよ切なさを数えてるひとりよがりのゲームね無防備な距離感で やさしくしないで「いいやつ」なんて「ともだち」なんてね切なすぎるよ ねえ、あの子のどこ…
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断線 – 草野華余子
覗いても何も見えぬ望遠鏡帰らぬ日々 もしかして桃源郷我がが我がで あちこち通せんぼ許せんの?どーすんのよこれ 名無しの声がやたらにデカいな狂気の正論が耳に痛いなWi-Fiの調子が悪いようです本日もう電源落とします バリ3でもギリギリ圏外胃の調子もキリキリ限界水掛け論 飽き飽き弁解I know you know “もういいの” 誰のため 何のために 不毛を重ねて争う引き抜いたケーブル 蹴飛ばしたテー…
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Room305 – 草野華余子
昨日と同じ部屋の中 昨日と同じわたしだないつかの自分に負い目を感じている例えば突然誰か来て この部屋片付けてくれたならなんて馬鹿馬鹿しい妄想 ビールで流し込む 「最近アイツ彼女が出来たって」「どこどこのバンドメジャーデビューするんだってさ」ああ違う、そんなこと知りたいんじゃない教えて ほんとうのわたし まだ泣けない まだ泣けない全然何もやり遂げてないからこのままじゃ いつまで経ってもただ生きている…
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夏と肉じゃが – 草野華余子
じゃがいも買うのを忘れて 隣町スーパー引き返して通りの薬局は水曜ポイント5倍デーだってことを思い出した美味しそうな珈琲屋さん 入ってみようって 小走りに駆け出す君追い掛けた うだるような、あの夏 みりん 醤油“甘すぎるのは駄目なのよ”砂糖 和出汁“水は様子を見ながらね” 深夜バイトの帰り道 よくお土産に買ってたケーキは2回目の夏を過ぎた頃から 少しサボり気味になってしまっていた何処で掛け違えたのボ…
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カメレオンの憂鬱 – 草野華余子
固く閉ざした瞼の奥に 誰にも知られぬ闇がある右向け右を汚さぬように 倣って身体を差し出した 人と違うと唾をかけられてはみ出すなと杭を打ち込まれて紛れ方 覚えたカメレオン 板についてきた迷彩 万全で守る体裁違和感に気付いても 口に出すのは大罪上手く馴染めたでしょうか 上手く笑えたでしょうかいつの日か ありのままで 救われることを信じて 鈍色に憂う瞳孔に 映り込む世界は極彩で真実(ほんとう)の色など …
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白いリコリスの咲く頃に – 草野華余子
くたびれたTシャツの裾を踏み潰したスニーカーの踵をあと何回 思い出したら貴方は過去になるのかな アスファルトを揺らす陽炎通り雨の面影も消えて賑わう街は 夏の匂いに染められて 繰り返す 日々塗り変わる 心の色彩それでも 鮮明な あの日の青 風が吹くから 貴方を思い出すから一番近くで見ていてねと 願った夏が来るから 貴方が口ずさんでいたあのメロディ 流れ出す ここにある離れても ここにある 今年も 夏…
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ドミノ倒し – 草野華余子
建前とはいつも裏腹に 湿りきった心持て余し 眠りについた街は後味の悪いキスを微塵も咎めない明白(あからさま)な誤魔化しは枯れて 逃げ場もなくピントの合う視線予定調和の二人 照らすのは滲んだネオンライトどちらが惚れたや腫れたとか くだらない話は もう後にしてCan’t stand now touch touch touch on you crash crash crashin your …
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Rub-a-dub-dub – 草野華余子
そつなく忙しなく 省みる余裕なく知らないうちに溜まる埃とストレス週末まではこの状態でも忍耐 やれ忍耐かくて何度も何度も積み重ねた末胸中に黄ばみ黒ずみ サッとクリーナーで消えそうな信頼・愛・友好もうそんなのは要らん一般論と先入観で 無理強いする惰性の幸福限界来たわ お掃除 どうにも二進も三進もいかん饒舌な妄言も正論も好かんわRub-a-dub-dub, Rub-a-dub-dub掃除機で吸い込めたら…
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無意味の意味 – 草野華余子
綺麗事じゃ飯は食えないが妥協妥協じゃ生きてる意味ないな丁度良いばかり狙ってたらDo the best がまた出せなくなった相当 飽き飽きしてんだ 油を断たずに 挑み続けることが如何に困難か 分かった頃にはもう空気の純度も 温いベッドも 君の言葉も全くなんの役にも立たないや 意味のある人生ってなんだただの価値観の相違だ意味の分からん正解探し生きてるだけ 偉いじゃんね 日本(ここ)は 天国か地獄かなん…