若山彰

娘へ – 若山彰

旅にでも 出ようかと
娘を誘えば その台詞
母さんが 生きてるうちに
聞きたかったと 涙ぐむ
花につもった こ雪をはらう
横顔が…優しさが…
娘よ 似てきたなァ
母さんに

たわむれて 腕をくむ
娘の笑いに 不器用な
親父ほど 冷や汗流す
よせと叱れば ふくれ出す
お前いたから ここ迄これた
片親の 見立てでも
娘よ 立派だよ
ありがとう

聞いたのか なれそめを
宿屋の女将に せせらぎが
場をもたす 思い出の郷
変わらないなあ 懐かしい
一つ飲むかと 盃出せば
云いかけて 目をふせる
娘よ いいんだよ
嫁にゆけ

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俺ら岬の 灯台守は妻と二人で 沖行く船の無事を祈って 灯をかざす灯をかざす冬が来たぞと 海鳥啼けば北は雪国 吹雪の夜の沖に霧笛が 呼びかける呼びかける離れ小島に

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