花咲夜

百花は月下に散りぬるを – 花咲夜

おぼろ月 薄衣(うすぎぬ)を解いて(脱いで)
祝宴の始まり告げる
(豪華絢爛に 万雷喝采を)

唇は 薄紅まとって(笑んで)
言の葉と戯る
(今宵 心果てるまで)

花色めき 匂えども散りぬるを
与えられし定めを 袂に忍ばせ
踊りましょ ちん・とん・しゃん
琴の音が逸りだす

百花繚乱に扇(せん)が舞う ヒラヒラと
常ならぬこの生命 たわわに 咲かせて
一途全を尽くし 生きるのが 雅事(みやびごと)
来世(いつか)を願うより 旬(とき)は今
可憐に いっそ 散って本望
夢幻 飾って 月下堂々

月見鳥 静寂(しじま)を払って(さらって)
祝宴を麗らに染める
(桜華爛漫に 上々感嘆を)

結い髪は 香りを放って(撒いて)
闌(たけなわ)へと誘う
(どうぞ 心を預けて)

三つの影が 集いしは夢舞台
結びあえた縁(えにし)に 歓び重ねて
唄いましょ とん・てん・しゃん
風車回りだす

百花繚乱に風が啼(な)く ヒュルリラと
目に映るこの姿 綺麗で いさせて
目下全をかけて 生きるのが 雅事(みやびごと)
刹那を悔やむより 旬(とき)は今
互いに 哀を 背負って今生
願い 契って 月下堂々

舞い踊れや ちん・とん・しゃん
(舞い踊れや ちん・とん・しゃん)
さぁ唄えや とん・てん・しゃん
(さぁ唄えや とん・てん・しゃん)
舞い踊れや ちん・とん・しゃん
(舞い踊れや ちん・とん・しゃん)
ひふみ夜に狂い咲く

百花繚乱に扇(せん)が舞う ヒラヒラと
常ならぬこの生命 たわわに 咲かせて
一途全を尽くし 生きるのが 雅事(みやびごと)
来世(いつか)を願うより 旬(とき)は今
可憐に いっそ 散って本望
夢幻 飾って 月下堂々

月明かり 遍く照らして
ひふみ夜に 歌声灯る

月明かり 三つ影揺らして
ひふみ夜に 歌声響く

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