芦屋雁之助・高田美和

大阪めおと川 – 芦屋雁之助・高田美和

極楽トンボで ど甲斐性なしの
俺(わい)でええのか なあおまえ
何をいまさら 東京すてて
あなたをえらんだ 妾(わたし)です
あんじょおやりやと 今日も流れる
大阪……めおと川

かんにんやで……あれから三年
浴衣一枚、買うてやれんままや
いいの…いいのよ
こうしてあなたと居られるだけで
倖せなのよ…妾
おまえは…ホンマ 俺の観音さんや
着たきりすずめの 観音さんやで

あなたを男に するためならば
どんな苦労も しのび雨
やぶれ蛇ノ目に 肩よせおうて
渡りきろうな 憂き世橋
あんじょおやりやと もらい泣きする
大阪……めおと川

えっ?  妾のいちばんほしいもの
…あなたそっくりなア・カ・チャン
おなごの児やったら ワヤクチャや
うん? 俺のいちばんほしいもんか
とうの昔に手に入っとる
オ・マ・エ… おまえやがな

浪花のうまれと 東京そだち
縁は異なもの 味なもの
泣いて笑うて ころんで起きて
耐えりゃ ほほえむ 春もあろ
あんじょおやりやと 今日も流れる
大阪……めおと川

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