船村徹・鳥羽一郎

別れの一本杉 – 船村徹・鳥羽一郎

泣けた 泣けた
堪え切れずに 泣けたっけ
あの娘(こ)と別れた 哀しさに
山の懸巣(かけす)も 啼いていた
一本杉の
石の地蔵さんのョ 村はずれ

遠い 遠い
思い出しても 遠い空
かならず東京へ 着いたなら
便りお呉(く)れと 云った娘(ひと)
リンゴのような
赤い頬っぺたのョ あの涙

呼んで 呼んで
そっと月夜にゃ 呼んで見た
嫁にも行かずに この俺の
帰りひたすら 待っている
あの娘(こ)は幾つ
昔(とう)に二十(はたち)はョ 過ぎたろに

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兄弟船 – 船村徹・鳥羽一郎

波の谷間に 命の花がふたつ並んで 咲いている兄弟船は 親父のかたみ型は古いが しけにはつよいおれと兄貴のヨ 夢の揺り籠さ陸(おか)に上って 酒のむときはいつもは

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