臼井嗣人

大人になった僕達は – 臼井嗣人

友よ 遠い昔にさかのぼるけど
幼き日々の事覚えているかい
宛も無く自転車こいで走り抜けた日々
ただそれだけで笑えてたね
今では錆び付いて動かない自転車を
なかなか捨てられないんだ
あの頃本気で語り合った夢のように
いつか触れてみたくなるような気がして

暗くなる前に家路を急いでペダルを漕ぎ続けた
互いの声が聞こえなくなるまで「バイバイ」って言って
疑いも無く明日も会えるっていつも思ってたっけな
最近お互い忙しくなって顔も見てないな 元気かい

「ぼくらの7日間戦争」に憧れて秘密基地を作った
あの森も無くなってしまったよ
力無く雨に負けてしまう様な段ボールの基地でも
大人には見えない場所を見付けたね

秘密基地とは言ってもあの頃の僕等に秘密は無くて
今じゃ内心と外面を使い分ける 秘密ばかりの僕です

駅前開発 面影を無くした僕の生まれた街
都会みたいにマンションが空に突き刺さってく
時間は流れて必要に応じて街も生まれ変わる
僕等も同じように大人になって夢を無くしてしまうのは仕方ないのかな
友よ

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